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2005/12/19
【衆イラク特】細野・村井・後藤議員がイラク問題めぐり質疑


19日午前、衆議院の国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラクにおける人道復興支援活動等に関する特別委員会が開かれ、民主党・無所属クラブから細野豪志・村井宗明・後藤斎各衆院議員が質問に立ち、イラク問題に関して様々な観点から政府の見解を改めて質した。

 トップバッターとして質問に立った細野議員は、ブッシュ大統領が、イラク戦争に関して率直に自らの責任も認めた「相当重い発言」をしたことを取り上げ、日本政府が戦争を支持した判断に誤りはないと考えるのか、などを質した。安倍官房長官は、「合理的な理由が存在した」などと述べ、既にイラクに大量破壊兵器が存在しなかったことが明らかであるにも関わらず、自らの責任を全く認めようとしない答弁に終始。

 細野議員は、「政治は結果責任だ」として、「明らかに責任を放棄している」政府側を厳しく批判。当時の米政府高官の発言も引きながら、「他の選択肢はなかったと言い切れるのか」と厳しく問い質したが、安倍官房長官はそれまでの答弁の繰り返し。これに対して細野議員は、イラク戦争支持に関して情報の信憑性の有無など、事後の検証を行っているのかも質した。前原代表も党首討論で指摘した情報収集体制の整備についても細野議員は言及し、英米軍の撤退とイラクに派遣されている自衛隊部隊の安全確保の関連についても、額賀防衛庁長官の見解も質して質問を終えた。

 続いて質問に立った村井議員は、日本の国際貢献活動に関する民主党の考え方を述べつつ、イラク復興支援活動の方向性などについて、政府の見解を質した。

 村井議員はこの中で、NGOや民間団体など非政府部門もイラク復興支援のため積極的な活動を展開していると指摘。積極的に支援し、連携する考えを示した麻生外務大臣に対して、村井議員は、支援の具体的な内容や、自衛隊撤退なども含めた今後の状況を考え、本気で取り組むべきだと釘を差し、「NGOとしっかり連携しながら、非軍事的な国際貢献をしていく、それが民主党のスタンス」であると表明した。

 村井議員はまた、「民間の力を使い、国民の公共福祉を増やすのもひとつの政策」だとして、税制優遇を受けられる認定NPO法人が少ない状況を改善するよう要請。塩崎外務副大臣は答弁で、税制改正において検討を進めていると説明した。

 さらに村井議員は、日本の国際貢献について、そのつどの特別法での対応ではなく、「永続的に国際貢献のための枠組みや法律を作り、非軍事的な国際貢献を盛り込む必要がある」と求めたが、安倍官房長官は、幅広く検討しており、答えられる段階にない、などと答弁した。

 続いて、後藤議員が、国会閉会中にイラクへの自衛隊派遣再延長の閣議決定が国会閉会中になされたことに遺憾の意を表した上で、自衛隊活動の評価などについて質問を行った。校舎改修などの援助が浸透して地域住民に安心感を与えていると、答弁で「大きな成果」を強調した額賀防衛庁長官に対し、後藤議員は、自衛隊の具体的な作業目標を明らかにするように追及。しかし、安倍官房長官は、重要な時期であり、活動終了時期や目標を掲げることは適切ではないなどと答弁した。このため後藤議員は、具体的な目標は英豪軍撤退後のプロセスも含めた議論にも繋がるなどと述べ、自衛隊の撤退時期の判断基準を明示すべきとの見解を示した。

 後藤議員はまた、イラク国内の地雷除去支援について、早急に取り組む必要があると指摘。安倍官房長官は「現在、自衛隊が日本を代表してイラクの復興に汗を流している。その後、どういう状況が出てくるか、ニーズがあるかどうかはその時点で判断したい」と述べるに留まった。
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