ニュース
ニュース
2005/02/24
【衆院予算委】津川議員、国民生活の実感を踏まえ公述人に質問


 24日午前、衆議院予算委員会公聴会の2日目が開催され、東京大学社会科学研究所の河合教授、日本労働組合総連合会の久保田副事務局長、BNPパリバ証券の河野経済調査部長、アジア経済研究所の酒井参事の各氏から公述が行われ、民主党・無所属クラブからは津川祥吾衆院議員が質問に立った。

 河合教授は、ユーロ・ドル・人民元それぞれの通貨の現状と将来見通しを踏まえつつ、東アジアにおける金融協調の必要性を述べた。久保田副事務局長は、連合総研の世論調査結果を示しつつ、定率減税の廃止は景気回復が本格的でない状況では誤りであること、雇用対策は非正規労働者の増加による二極化やニートの増加などの問題への取り組みが不十分であること、社会保障では勤労者の不安が解消されていないことを指摘し、予算の組み替えの必要性を述べた。河野調査部長は、現在の景気減速は一時的なものであって深刻な後退はないとの判断を示しつつ、景気回復や歳出削減だけでは財政再建は不可能であると述べた。酒井参事は、総選挙後のイラク情勢について、シーア派による宗教政治の展開の可能性、イランとの関係改善の可能性など客観的な分析を述べた。

 津川議員は、各公述人に対して平成17年度予算への意見を求め、久保田副事務局長は「サラリーマンの生活実感から信頼の置けるものとは言えない」と述べた。また、津川議員は「デフレ予想は後退したというが、心配がなくなったといえるのか。予算も、胸を張って削減したと言えるほど削れていないのではないか」と指摘して、予算に賛成の立場を明らかにしている公述人の発言を促した。さらに津川議員は公述人に対して、「日本経済のエンジンである中小企業には景気回復の実感はない」「低金利政策によって家計から企業部門に大きな所得移転がある」として、家計の実感を踏まえた立場からの質問を行った。最後に津川議員は酒井参事に対してアメリカのイラク政策の現状について質問し、アメリカは政策的な不統一から最終的に責任放棄することにもなりかねないので国際社会が周りから働きかける必要があるとの発言を得た。
記事を印刷する