山田正彦『次の内閣』ネクスト農林水産大臣は1日、米国産牛肉の輸入再開問題に関して、国会内で緊急記者会見を開いた。
31日に開かれた食品安全委員会のプリオン専門調査会において、BSE(牛海綿状脳症)感染の危険性に関して、北米産牛肉と国産牛肉を同じ基準で比較評価することは「データ不足のため科学的に評価することは困難」としながらも、「北米産牛肉の輸入再開条件(特定危険部位の除去や20カ月齢以下の牛に限定)が日本政府の責任の下に順守されればリスクの差は非常に小さい」とする結論をまとめ、12月にも輸入が解禁される見通しとなった。この問題について山田ネクスト農水相は会見の席上、民主党として、改めて食の安全確保に向け、全力を尽くすことを表明した。
山田ネクスト農水相は、「間違いなく輸入が再会されることになってしまったのは非常に残念」と述べるとともに、本来なら国会閉会後に行われる組閣を前倒しすることで、この食品安全委員会の結論を国民の目から逸らすという姑息な手段に出た政府に対して許しがたいとする認識を示した。
また、日本政府の責任下で輸入再開条件が順守されればリスクは小さいとされている点についても、「仮定に基づいて出した結論に過ぎない」と指摘。2回にわたって米国現地視察を行った経験をふまえ、「アメリカにおいて危険部位の除去は期待できない。(牛肉加工を行っている)工場長でさえ、20カ月齢以下の牛を見分けるのは困難。輸入再開条件が守られる担保は何もないと語っていた」と問題提起した。「仮定を元にした結論によって、政府が輸入再開を決めていくというのは大変に問題であり、反対だ」と改めて語った。
同席した和田議員は、母としての立場から学校給食の現場で牛肉の安全性が守れない情況に陥ることに危機感を示し、「家庭内で食べる牛肉については(より安全な国産牛肉を)選択できるが、学校給食の場合は選択することができない」と指摘した。「米国産牛肉のリスクが低いというデータがあるのは、そもそも全頭検査をしていないことによるもの」とも和田議員は語り、「日本の食の安全が守られるような政治を心がけていきたい」と表明した。
山田議員は、生鮮牛肉については原産国表示ができるが、合いびき肉・ひき肉等の加工肉については原産国表示がない点にも言及し、より安全確保が困難になると指摘。この問題解決に向けては法案の準備を進め、次期通常国会へ提出していく考えを示した。
最後に山田議員は「EUは全くアメリカからの牛肉を入れていないし、台湾も韓国も入れていない。日本だけ輸入するというのはアメリカの圧力に弱い日本の象徴いえる。アメリカの言いなりになっていていいのか」と指摘し、日本人の食の安全確保に向け引き続き力を尽くしていく考えを改めて表明した。
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