ニュース
ニュース
2005/11/16
前原代表、日米首脳会談を受け、党本部で記者団の質問に答える


前原誠司代表は16日午後、日米首脳会談が行われたのを受けて党本部で記者団の質問に答える形で所感を述べた。

 前原代表はこの中でまず、ブッシュ大統領夫妻の京都訪問を、「心から歓迎申し上げたい」とし、「是非、京都の秋を満喫して、京都そして日本の神髄を味わって帰っていただきたい」と前置きした。

 その上で、同盟国である米国との首脳会談が行われたこと自体には肯定的な評価を下しつつも、小泉首相が、日米関係が緊密であればあるほど、アジアとの関係が良くなると発言したことに触れ、「一面そういう面もあるが、しかし、総じてはそうではない」とコメント。この発言が、「同盟関係を通じてでしか、アジアや中国との関係を緊密に保てない」ことの裏返しだ、と前原代表は厳しく指摘し、「日米同盟関係とあわせて、日本の外交の厚みを増すべきであるのに、中国やアジアとの関係が欠けていることを白日の下にさらす発言をされたものだ」として、「きわめて残念だ」と述べた。

 更に前原代表は、米国産牛肉の輸入再開問題についても、安全性について評価を得たとブッシュ大統領が発言したことを取り上げ、「一体、小泉首相はどういう評価を与えたのか、これは国会を開いて是非、われわれ国民の前で話してもらいたい」と述べて、小泉首相に対し国民への説明責任を果たすよう、強く要求した。

 イラクに駐留する自衛隊の派遣期間延長問題についても前原代表は、「現在のイラクにおいて、自衛隊が行うことはきわめて限られている」とし、イラクに自衛隊が存在するため、同盟関係のため、の駐留でしかないことを鋭く指摘。「現時点において再度、民主党として、イラクからの撤退を要求したい」と述べた。その上で、「それを議論するための国会を開き、国民の広い意見を聞いた上で、12月に判断をしてもらいたい」として、改めて臨時国会を開くよう強く求めた。

 また、記者団から、米軍再編問題で基地を抱えるほとんどの地域から反対の表明がなされていることについて問われた前原代表は、「まさに運び方の稚拙さ、丁寧さの欠如というものが、今回の自治体の反発を招いている」とし、小泉政権の戦略性のなさを厳しく批判。こうしたことの積み重ねが、「日米同盟関係というものも、足下から崩すことになる」との懸念を示した上で、「きわめて遺憾に思っている」と述べ、基地移転の合意についても、「履行できるか、甚だ疑わしい」との厳しい見方を示した。
記事を印刷する