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2005/11/25
「行革なくして増税なし。公平なくして増税なし。」 政府税調答申について(コメント)
民主党税制調査会長
古川 元久


○ 本日、政府税調より平成18年度税制改正に関する答申が提出された。「行革なくして増税なし。公平なくして増税なし。」と考える民主党の立場からは、この答申は到底評価できるものではない。

○ 本答申では、定率減税の廃止を求めている。しかし、この定率減税の導入にあたって政府は、これを「恒久的」と位置づけ、根拠法にも「この法律が施行された後の我が国経済の状況等を見極めつつ(所得税制の)抜本的な見直しを行うまでの間」と明記している。政府税調は、法律に則り、クロヨン、トウゴーサンピンという言葉に象徴される所得把握の不公平をはじめ、現行所得税制の問題の「抜本的な見直し」の具体的な内容を示した上で、定率減税の廃止を求めるべきである。

○ なにより問題は、このような大規模増税について、本年6月にその方向性が政府税調から示されたにもかかわらず、与党は先の衆院選挙で何も言及しなかったことである。定率減税の廃止は、約1.7兆円もの増税を国民に求めるものである。選挙中民主党を中心とする各野党、マスコミが重ねて問うても与党は明確な回答を示さなかった。それでいて選挙終了後に、このような大規模増税を決めることは、国民に対する背信行為である。自民党は先の総選挙マニフェストにおいて「政府税調の考え方はとらない」と明記した。この国民に対する約束と、今回政府税調答申との矛盾をどう説明するのであろうか。

○ また、政府税調答申では、環境税については「総合的に検討」、酒税については「包括的に見直す」、特定財源については「現行の負担水準を維持することが適当・一般財源として活用していくべき」との方針を示した。これらは過去なんども議論されながら、結論が先送りされてきた事項である。民主党は与党が臆することなくこれらの問題に対して明確な結論を出すことを期待したい。それに対しては、私たちも真摯に建設的な議論をしていく覚悟である。

○ 民主党は「行革なくして増税なし。公平なくして増税なし。」との基本方針の下、納税者の視点に立ち、国民が「公平・透明・納得」のできる税制の構築をめざしていく。
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