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2005/11/29
信頼される民主党へ気を引き締めてまい進する 前原代表が会見で


前原誠司代表は29日午後、党本部で定例の記者会見を開き、代表就任以来の党改革の成果と今後の方向性について改めて言及したほか、今日の衆議院国土交通委員会で参考人を招致し質疑が行われているマンション・ホテル等の強度ねつ造問題についても所感を語った。

 前原代表はまず、今日の常任幹事会で来年度の活動方針案と予算案について議論を行い、「大方、それについての承認をいただいた」ことに言及。代表就任から2カ月と10日ほど経ったことを振り返り、「一つの新たな態勢づくりの素地ができた」と述べた。前原代表は、対案・提案路線や真の改革競争路線を「政策面では定着させてきた」とするとともに、機動的・戦略的に政策立案ができるよう、総合政策企画会議を設置し、「ある程度の議論のこなしができるようになった」などと指摘した。

 そして、広報戦略本部の設置や次期衆議院選挙に向けた第一次公認発表とともに、年内には第二次公認を発表し、参議院選挙についても公認基準も決めていくことなどにも前原代表は言及。「敗戦のショックが冷めやらぬうちに、色々と党改革の方向性を立てて、ようやくこれから軌道に乗るような状況になってきた」との認識を示した。

 前原代表はしかし、「不祥事が相次いでいるということは、党にとってはきわめて危機感をもって臨まなければならない」とし、素早い処分を行い、綱紀粛正を徹底していかなければならないとの厳しい認識も披露。「公認時にしっかりとした候補者の調査をする」とともに、一度公認した方であっても、何らかの問題が出てきた時には、それについての調査・対応を、今まで以上に厳しくやっていかなければならない」と厳しい口調で述べた。

 そして前原代表は、「国民の信頼無くして反転攻勢には移ることはできない」とし、今回の西村真悟衆議院議員に対する除籍処分と辞職勧告についても、「潔く、今までの政治活動に泥を塗らないように、、早くに議員辞職を決断をしていただくように求め続けてまいりたい」と述べた。その上で、「改めて国民の皆さまにはお詫びを申し上げ、信頼される民主党、そして再び政権交代にチャレンジができる態勢づくりに、私自ら気を引き締めてまい進をしてまいりたい」と語った。

 マンション等の強度ねつ造問題についても前原代表は触れ、衆院国交委で「厳しくわが党の議員も含めて当事者に対する追及が行われている」が、「問題追及をしていくと同時に、社会全体の問題として、これをどのように受け止めていくのかといったことが、今後の政治の大きなポイントではないか」と指摘。マンションの買い戻しが現実的には不可能との認識を示しつつ、この問題が「大きな不良債権の問題に陥る可能性がある」ことにも言及した。

 そして前原代表は、このねつ造問題が「きわめて大きな問題に拡がって、まさに国民の生命・財産に関わる問題になった場合には、公的資金の投入の可能性も否定をしないで考えていかなくてはならない」との認識を示すとともに、仮にそういった決断をする場合には、「当事者の徹底した処分」が前提であり、「モラルハザードは許されない」との考えを示した。

 また前原代表は、今回のような強度ねつ造が起こった背景について、尼崎でのJR事故も想起しつつ、「全て民に任せて終わりではなく、社会全体としてそれをチェックする仕組み」の必要性を強調。「まさにわれわれ政治の責任ではないかと思っている」と述べた。そして、「規制改革は必要だが、社会的規制についてはむしろ強化すべき部分もある」とし、その「歯止めを野党第一党として担っていく」との意向を表明。「党を挙げて、被害にあった国民の皆さんの目線に立って、対応策を提案型で国会の中でしっかりと議論していく」との決意を語った。
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