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2005/10/05
【参院予算委】喜納議員、米軍再編協議めぐる沖縄基地問題を追及


参議院予算委員会で5日、民主党・新緑風会の喜納昌吉議員が櫻井充議員の関連質疑を行い、米軍再編協議にかかわる沖縄の基地問題を中心に大野防衛庁長官らに質した。

 喜納議員は、米政府が普天間飛行場の移設計画見直しをめぐり、珊瑚が生息する浅瀬に新たな海上施設の建設を新たに検討していることに言及。日本政府のキャンプ・シュワブへの移転案などと合わせ、「国外移転を願っている大多数の沖縄民族の心は、不安の中に放り込まれている」と前置きし、質問に入った。

 まず、在沖米軍が抑止力になるとする根拠について喜納議員が質すと、大野防衛庁長官は「日米安全保障条約に基づいて米軍が日本に駐留していることは日本の平和と安全にとって、大きな柱となっている」などと答弁。北朝鮮など大量破壊兵器やミサイルをもつ国が存在し、バリ島に見られたようなテロの脅威が存続しているなかにあって、ひとたび事件が起きた際に迅速に対応していく上で地理的に恵まれた場所に位置する沖縄に基地があることは大きな意味をもつとの認識を示した。同時に、海兵隊の高い機動力は日本の安全上重要との考えを大野防衛庁長官は明らかにした。

 喜納議員は「沖縄が軍事戦略上便利だとするのは迷惑だ」と、率直な思いを表明。その上で、普天間飛行場に配置されていた主力部隊である3個歩兵大隊と20数機のヘリコプターがイラクに投入され、現在のところ戻る予定がないとの見方があることを指摘。「つまり、普天間飛行場を閉鎖して、米海兵隊がいなくなっても東アジアにおける米軍の抑止力に影響はないと思われる」と語った。

 普天間代替基地建設に伴う辺野古海岸埋め立てをめぐっては、米国の法廷でジュゴンなどを原告とする環境破壊反対訴訟が行われている問題も提示。喜納議員は環境保護の観点からも基地建設に疑念を呈し、地球温暖化などが問題視されるなかにあって生態系を守る視点を持つよう小池環境相に要請した。

 同時に、「日米関係が対等であるならば、米軍基地を存続させるか否かは、米軍戦略に従って決めてはならず、日本政府・議会の政治的意思で決めるべき」と喜納議員は強く主張した。

 続いて、日本歯科医師連盟(日歯連)をめぐる政治資金規正法違反事件で、東京第2検察審査会が自民党の山崎拓衆院議員を「起訴相当」と議決したことを取り上げて追及。山崎議員が落選時までも首相補佐官を務めるなど首相に重用されてきた事実もふまえ、「起訴相当とされた人物が首相の最重要側近である事実は問題ではないか」と指摘した。

 細田官房長官は「側近とは認識していない」としたうえで、「同じ政治経験を持つ盟友だ。友人関係にある」などと苦しい弁明に終始した。

 喜納議員はそうした答弁を受けて、橋本龍太郎元首相の政界引退への原因ともいえる日歯連による1億円ヤミ献金事件にも言及。「法的処理、すなわち起訴するか否かの問題は以前残っている」と述べ、政治とカネの問題をうやむやにする自民党体質を改め、国会で事実解明に取り組むよう要請した。
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