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2005/10/07
【衆院郵政特】荒井議員、両法案の制度設計の違いを質問で追及


衆院郵政特別委員会で、馬淵議員に続いて質問に立った荒井聰議員は、ユニバーサルサービスの維持、郵貯簡保資金の扱い方などについて、政府案と民主党案の違いを追及した。

 荒井議員は、米国の対日年次改革要望書や、破たん後、公的年金投入の上で米国資本に買収された長銀の例に言及し、郵政民営化が日本の国益に通じるかと質問。小泉首相は、郵政民営化が日本経済の活性化に資すると答弁した。

 続いて荒井議員は、ユニバーサルサービスの維持について質し、永田議員は「ほかの人がする仕事を奪うことによって全国サービス展開のコストをまかなう」政府案に対し、民主党は「公的負担を求めることになっても、やる価値のあるもの」とユニバーサルサービスを位置づけているなどとした。

 荒井議員は、信書便法の改正を検討しているかについても確認。麻生総務相は、町村合併の進展に伴い、ポストの設置基準を見直すことを考えるべきであり、調査を求める大臣通達を出したと表明した。

 荒井議員はまた、郵貯簡保資金の肥大化について見解を問い、答弁に立った長妻議員は、厚労省のグリーンピア運営を指摘し、巨額の資金を民間に静かに流すべきと主張。荒井議員は「民間事業の補完事業としてスタートしたという原理原則に立ち返る機会は何度もあったが、見逃した」などと、政策の失敗を批判した。

 外国の事例を挙げて地域金融が排除される懸念を表明した荒井議員に対し、竹中大臣は「その国の特殊事情と、一般化して学べることとを峻別すべき」と強調。ニュージーランドの例に対しては「郵政民営化よりも、外資導入政策(の導入により失敗した)というのが一般の評価だ」と述べた。

 荒井議員は、政府案の「社会・地域貢献基金」にも言及し、ウルグアイ・ラウンドにおいて、国際市場に耐えうる強い農業を作ろうと6兆円の補助金を投じた農水省の先例を思い起こさせるとした。永田議員は、運輸施設整備事業団と経営安定化基金の例を引いて「基金を積むというのは形を変えた補助金を入れることと同じ」だと同意した。

 長妻議員も、政府案では「首都圏だけの郵便局と郵貯銀行が契約することも理屈ではあり得る」と指摘。全郵便局の決済機能を郵貯銀行で実施するかは、あくまで経営判断であると、規模を縮小して必要な決済機能を子会社で実行する民主党案との違いを説明した。

 荒井議員は、民主党案を、民の補完的な事業である郵貯をなるべく少額にしつつ、地域金融を排除しないように国民の利便性を確保するために、郵便事業とリンクするかたちで制度設計されたと評価。政府案については、340兆円をとにかく独立させて市場で自由に動けるようにした一方、社会・地域貢献基金という不思議なものを作ったと指摘し、「なかなかうまく行かないのではないか」との認識を述べて、質問を締めくくった。
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