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2005/10/12
【参院本会議】郵政民営化法案の問題点を次々に指摘 尾立議員


参議院本会議が12日午前開かれ、内閣提出の郵政民営化関連六法案に対し、民主党・新緑風会を代表して、尾立源幸参院議員が質問に立ち、参議院審議の意義、総選挙結果の評価、経営形態のあるべき姿、民業圧迫への懸念、出口改革のあり方、財政再建の問題などについて、関係大臣に対し厳しく質問を展開した。

 尾立議員は冒頭、日本人父子も亡くなられた、パキスタン北東部で発生した大地震の被害に憂慮の念を示し、民主党として調査団を派遣したことに言及するとともに、迅速かつ効率的な支援の必要性を強調した。

 更に尾立議員は、郵政民営化法案の参議院での審議にあたっては、「行政を監視し、衆議院の動向をチェックする、再考の府としての」意義を踏まえ、郵政民営化法案の「審議を通じて、良識の府、参議院の存在意義を改めて示すときではないか」とまず訴えかけた。

 そして、先の総選挙の結果についても尾立議員は、小選挙区での与党票より野党票の方が多かったことに触れつつ、「何を根拠に、選挙結果を通じて、郵政民営化法案の中身まで含めて信任されたと考えるのか」をまず質した。同時に、「今こそ、この法案の慎重審議が求められている時ではないか」として、参議院の場での真摯な議論を呼びかけた。

 経営形態についても尾立議員は言及。「実質国有の持ち株特殊会社と政府系金融機関ができるに過ぎず、民営化の名に全く値しない」と厳しく指摘した上で、株式持ち合いを不可能にするよう提案する一方で、郵便事業を民営化している国が何カ国あるのか、米国の事例についても竹中郵政民営化担当相を質した。竹中担当相は、「日本郵政公社とは大いに事業形態が異なる」などとした。

 続いて尾立議員は、郵貯の資金量の縮小を民主党が主張するのは、民業圧迫の解消とともに、「金利変動リスクを小さくすることも必要だと考えるからだ」と主張。国の信用をバックにした巨大民間会社の誕生が、既存の民間企業を圧迫することになると、強く警鐘を鳴らした。

 このほか尾立議員は、2兆円もの補助金と言える「地域・社会貢献基金」の存在、骨格経営資産とGDP伸び率の見込みの問題、国債発行額抑制の必要性についても質問。いわゆる出口改革として、8つの政府系金融機関の統廃合に矮小化せず、「特殊法人・認可法人・独立行政法人・公益法人、その他の公的機関による政策金融にも範囲を拡大すべき」だと主張した。

 また、尾立議員は、小泉政権の間だけでも「1分1億円を上回る借金を垂れ流している」現状を厳しく指摘し、「財政再建とはおよそ関係ない郵政民営化が改革の本丸なのか、いまだに理解できない」として、「借金漬け国家にした責任をどうとり、財政再建をどう果たすのか」について、谷垣財務相を質した。谷垣財務相は、「歳出・歳入両面から、バランスのとれた財政構造改革を推進する」などとした。

 最後に尾立議員は、民主党が前原代表を先頭に、「まがいものでない真の改革政党として、国民の信頼を獲得し、近い将来、必ず政権を担うことをお約束したい」と高らかに宣言するとともに、与党議員に対しても、「改革という言葉だけを、念仏のように唱える」ことのないよう釘を刺し、「本当に国民のためになる改革競争をやろうではないか」と呼びかけて質問を締めくくった。
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