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2005/10/13
輸入牛肉の安心・安全確保に向け、BSE特別措置法改正案等提出


民主党はじめ野党3党は13日、牛海綿状脳症対策特別措置法の一部改正案(BSE特別措置法改正案)、輸入牛肉トレーサビリティ法案の2法案を衆議院に提出した。

 提出後に国会内で会見した山田正彦『次の内閣』ネクスト農相は、米国産牛肉のBSE汚染を検討していた内閣府の食品安全委員会が取りまとめる答申案に基づき、年内にも輸入が再開される見通しが強まっている点に危機感を示した。「民主党としては一貫して輸入牛肉については、日本国内と同じ条件(の検査を経たもの)でなければ輸入してはならないという姿勢を貫いてきた」と語り、その基本姿勢に基づき、法案を提出したとした。

 山田ネクスト農相は、「輸入牛肉を国内に入れる場合は、各国にステータス評価を求めるべきところ、危ない牛肉があるにもかかわらず、現在の法律ではステータス評価を求めていない」と語り、危険な牛肉を除外する術がないことに危機感を示し、提出したBSE特別措置法改正案では、ステータス評価の導入を明示したことを明らかにした。

 ステータス評価に基づき、BSEが発生する恐れが相当程度ある国については、「指定国」として政令で指定。この指定国から輸入される牛肉については、国産牛と同じレベルの検査(21カ月齢以上の牛を検査)および危険部位の除去を行ったことの証明を求める。

 また、輸出国においてBSEが発生した場合は、回収を求めることをBSE特別措置法改正案に明記した。

 続いて輸入牛肉トレーサビリティ法案に関して山田ネクスト農相は、「日本国内においては各生産者に対して、牛の生年月日、移動履歴、どういう注射をうち、どんな薬品を投与したか、エサはどんなものかなど、消費段階までの生産履歴の明示を求めている」と指摘。生産者には高いコスト負担を強いる検査体制を国内では強く求めているにもかかわらず、輸入牛肉に何らデータ開示を求めないのは不平等であるとの見方を示した山田ネクスト農相は、「食の安全の見地からすると問題がありすぎる」とも語った。

 そうした観点から、同法案では輸入牛肉に対して生産履歴の提示を求めることとした。

 輸入再開後に日本に入ってくる牛肉はBSE発生の恐れが低いとされる20カ月齢以下の牛に限定するとされているが、その点について山田ネクスト農相は米国視察に基づき「工場長も証明したように、米国産牛肉については見分けもつかないし、20カ月の担保はままならない。危険部位の除去も米国では31カ月齢以上でないとなされないことになっている」と述べ、監視体制が何ら整っていない米国の実態を改めて指摘した。

 「輸入牛肉トレーサビリティ法案を審議し、この法案を通すことが(そうした危険な)米国産牛肉の拙速な輸入を阻止することにつながる」と語り、法案成立に向け力を尽くしていく考えを強調した。

 なお、会見には黄川田徹衆議院議員も同席した。
関連URL
  (→ 輸入牛肉のトレーサビリティ制度について(概要) )
 http://www.dpj.or.jp/news/?num=473
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