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2005/10/13
【参院郵政特】平野議員、金融サービスの担保なき法案の問題追及


参議院郵政特別委員会で13日、総括質疑が行われ、民主党・新緑風会の一番バッターとして平野達男議員が質問に立った。

 先の通常国会を振り返って平野議員は、「衆議院においても圧倒的に与党の議席数が多かった。与党がしっかりとまとまれば、郵政民営化法案を可決できたはず」との認識を示した。同時に、首相が「解散」をちらつかせてまさに恫喝のような手段まで使ったことを問題視しつつ、自民党の内輪もめ的その情況について「状況は非常に迷惑だった」と述べた上で、この情況を回避できなかった理由を首相に質した。

 首相は「各政党、賛否両方ある。最後まで自分の意思を貫くのはそれなりの決意もある。結論が出るまで全部同じ意見なんてあり得ない」などと答弁。「解散は避けたかったのが本心。解散なしに成立させたかった」などと語った。

 そうした答弁を受けて平野議員は先の衆院選挙での投票数を提示。小選挙区では野党票が100万票上回ったことを取り上げ、与党の勝利は認めるが、郵政民営化の是非を問う選挙で、反対の意思表示として野党に一票を投じた民意を真摯に受け止めるよう首相に要請。「今回の(野党への)投票数は、郵政民営化は躊躇しているとも言い得る」と平野議員は指摘した。

 また、質疑のなかで任期後も自民党総裁の地位に留まる気があるか質したのに対しては、小泉首相は辞任を明言。「そこで総理大臣の任期も終わる」と語った。

 続いて、政府提出の郵政民営化法案は根本的にいろんな問題を抱えたままであるとの認識を平野議員は改めて提示。その上で、「郵便局の設置は法律で義務づけられるが、郵政民営化後の金融サービスに関して本当に提供されるのかどうか」と疑問を呈し、政府が金融サービスも提供するとしているが、その責任主体はどこかを質した。

 竹中郵政民営化担当相は「金融サービスの提供を義務づけることはしない」と答弁。民間企業が適切な経営行動をとることによって、結果的に必要な金融サービスがいきわたるような工夫はしているなどとした。

 しかし、質疑を通じて竹中担当相は、移行期間中は政府が、以降後は総務省が責任を持つとしたが、ユニバーサルサービスとして位置づけるわけでもなく、行政指導を行うものでもないことが明らかになった。民間金融機関が「金融サービスを提供したい」というオファーがない限り、地域における金融サービスが行われないことになる。

 平野議員は「政府が責任をもつしくみを構築すべきだった。その方がわかりやすかった」と改めて指摘し、地域ニーズがあったとしても金融サービスの提供が行われなくなる法案の実態に危惧を示した。
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