ニュース
ニュース
2004/08/02
【衆院本会議】岡田代表、年金、裏献金事件などで首相を追及


 民主党の岡田克也代表は2日、衆議院本会議で小泉首相のサミット報告に対する代表質問に立ち、年金改革、政治とカネ、イラク多国籍軍参加などについて、首相を厳しく追及した。

 岡田代表は質問の冒頭、新潟・福島・福井の集中豪雨被害対策における問題を取り上げ、激甚災害指定を迅速に行うための制度改革、被災者の住宅再建支援を可能にする法整備などを求めた。小泉首相は、激甚災害指定については「可能な限りの短縮を指示した」、住宅再建支援でも「様々な議論がある」などと答えるにすぎず、意欲のなさを露呈した。

 続いて岡田代表は、参議院選挙で改正年金法や多国籍軍参加に反対する国民の意思が示されたにもかかわらず、今臨時国会の会期を8日間に短縮し、十分な審議を行おうとしないのはなぜか、と質した。しかし首相は「何事にも賛否両論ある」などと意味不明な答弁ではぐらかした。

 改正年金法について岡田代表は、負担と給付の限度や出生率をごまかして成立させただけでなく、国民年金の破綻状況などへの対応が欠落した持続可能でない制度であることを改めて指摘。年金法が抜本改革でないことを認め、法律を廃止するよう強く求めた。しかし首相は、「国庫負担率引き上げの道筋を示した」などとして年金法は抜本改革だと強弁し、一元化は「中・長期的課題」だとして彼岸化した。民主党の年金法廃止法案については、「年金財政のさらなる悪化を放置するもの」などと手前味噌な「批判」を開陳した。

 政治とカネをめぐっては、日本歯科医師連盟からの裏献金事件について、自民党総裁でありながら何ら調査・説明を行っていないことを批判。とりわけ、橋本元首相が前日歯連会長から1億円の小切手を不正に受領していた問題について責任ある対処を求めた。ところが、元首相の事件について首相は「捜査中であり状況を見守りたい」などと述べるのみで、政治的倫理観のかけらもない姿をさらけ出した。

 イラク多国籍軍参加問題で岡田代表は、国会審議を通じて国民に理解を求めようとしなかった理由を質したが、首相は、参加を閣議決定した後の閉会中審査などをもって「議論はやった」などと強弁。北朝鮮問題では、10人の安否不明者についての調査結果も示されないうちに国交正常化交渉を再開することへの危惧を示したが、首相は「曽我さんの家族の帰国で再開の条件は整った」などした。
記事を印刷する