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2004/08/04
【衆院厚労委】年金法廃止法案を与党が否決


 民主党提出の改正年金法廃止法案をめぐる衆議院厚生労働委員会の4日午後の審議では、民主党の五島正規、中根康浩、馬淵澄夫の各議員が質問に立ち、改正年金法および政府の社会保障行政の問題を追及。その後、討論、採決が行われ、法案は賛成少数で否決された。法案への賛成討論は民主党の大島敦議員、共産党、社民党が行った。

 質疑で五島議員は、保険料の上限18.3%の根拠となるデータなどについて「18.3%という数字が先にあり、人口推移の統計を甘くみたのではないか。出生率1.29は想定の外だったのか」と厚生労働省の責任を追及した。坂口厚労相は「実質GDPと出生率が政策の前提。出生率が下がり続けるかどうか、国の政策も左右する。20代、30代の人にどういう政策をとるか、これが大事」と答え、責任には答えなかった。また、五島議員は「ごまかしと国民が感じている。これが民主党が廃止法を提出した根拠」と民主党の正当性を強調した。

 中根議員は社会保険庁と一部の業者の癒着を取り上げ、監修料の名目で多額の報酬を職員が受け取っていることについての見解を質した。中根議員は「補助金を出しそこから、監修料をもらっている。これはおかしい。本来業務との区別はついているのか。職務専念義務と関係は」と追及。坂口厚労相は「調査をスタートさせている。監修料をもらうことが妥当かどうかもしっかり調べたい」と答弁した。中根議員は来週までに中間報告を出すように求めた。

 馬淵議員は政治家とカネの問題を取り上げ、所管大臣としての見解を求めた。馬淵議員は「日本歯科医師連盟と日本歯科医師会の一体性を排除するために何をしてきたのか。放置してきた責任は」と追及。坂口厚労相は「一体とならないよう、また、実態調査を依頼した。8月末に報告が来る」と答え、責任には触れなかった。また、馬淵議員は坂口厚労相自身の迂回献金の問題も取り上げた。坂口厚労相は「突然の報道で驚いた。私に渡っていることはない」と否定した。馬淵議員は最後に橋本元総理、青木自民党参議院議員会長、野中元自民党幹事長ら6人を参考人招致するよう求めた。この扱いは理事会で協議することとなった。
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