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2005/03/08
新オーストラリア大使が表敬訪問 党本部で岡田代表と意見交換


 民主党の岡田克也代表は8日、新任の表敬訪問のため来党したオーストラリアのアリステア・マラー・マクレーン新大使を迎え、意見交換した。

 岡田代表は冒頭、オーストラリア軍のイラク派兵に言及。イラクへの自衛隊派遣反対の民主党の立場を改めて明らかにしつつも、「自衛隊員の安全確保という観点から(安全確保に向け)自衛隊を支援していただくことに感謝したい」と謝意を示した。

 それに対して大使は、昨年10月の選挙でオーストラリア軍の増派は行わないと公言していたハワード首相にとって、今回の派兵は国内政治的に難しい決断だったと説明した上で、増派の理由として、(1)イラクの国民議会選挙結果を踏まえ、イラクの安定と民主化支援に向けた国際的な支援を継続する必要性、(2)対日関係重視の観点からの判断、(3)イラク国軍を訓練するため――の3項目を挙げた。同時に当初は国民の70%が増派反対であったオーストラリア国内世論も現在は賛成・反対五分五分の状況であると説明した。

 岡田代表がアジア太平洋経済協力会議(APEC)に関する両国の対応も非常に重要との語ったのに対し、大使も同様の認識を示すとともに東アジア共同体の動きに言及。オーストラリアの参加に反対する意見があることに憂慮を示し、オーストラリア加盟へ向けた日本の支援を要請した。

 大使はさらに日豪間で経済・貿易関係も良好とする見方を示し、自由貿易協定(FTA)交渉の進展を望む姿勢を示した。農業保護の立場からオーストラリアとのFTAを否定する見方がある点について大使は、「オーストラリアの自由化対象品目が日本で生産されていない作物であったり、季節が逆であるために競合しない。FTAの成立は可能」と説明。また、経済分析に基づき「FTAが成立することによる損失面よりも利益の方が7倍大きく、GDPも日本は7000億円アップする」と語った。これを受けて岡田代表も「もっと前進させるべき問題」との認識を示した。

 なお、意見交換には前原誠司『次の内閣』ネクスト防衛庁長官、藤田幸久国際局長、大谷信盛ネクスト外務副大臣が同席した。
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