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2005/03/15
【衆院本会議】宇佐美議員、改革称し地方切り捨ての自民政権を批判


 衆議院本会議で15日、地域再生法案(閣法)の趣旨説明と質疑が行われ、民主党・無所属クラブを代表して、宇佐美登衆院議員が質問に立った。

 宇佐美議員は、この地域再生法案を「悪い意味で小泉政権らしい法案だ」とまず批判。「お題目は立派だが、中身が伴わない」として、本法案の様々な問題点を指摘した。宇佐美議員は第一に手続きの問題として、この地域再生法案が、全ての国民に関わる重要な法案で、十分な審議時間を確保すべきにも関わらず、「日切れ」扱いとなったことを厳しく批判し、国会軽視だとして政府の姿勢を質した。村上規制改革・産業再生機構担当相は、「本法案は地方の要望を踏まえて法案化されたもの」だとし、年度内に成立しないと「予定した事業の円滑な執行ができなくなる」などとした。

 第二に、政府が繰り返して、景気回復とアナウンスメントしていることと地域の現実とが、あまりにかけ離れていることを宇佐美議員は指摘。「地方経済は現実には相当疲弊している」として、「働けど働けどわが暮らし楽にならず、が地域の実態だ」と述べた上で、なぜ地域再生が必要なのか、その分析が必要であるにも関わらず、本法案にそうした記述もないことを明らかにした。また宇佐美議員は、「景気対策と称したバラマキにより、地方を借金漬けにしておきながら、改革と称して地方を切り捨てている自民党政権が、地方を苦しめている」と厳しく指摘した。

 宇佐美議員は更に、補助金の大胆な廃止と一括交付金の創設などを柱とする民主党の地方分権政策を明快に説明し、補助金バラマキ政策を継続する今回の地域再生法案を批判。陳情し補助金をもらうという、現在と全く変わらない仕組みが残ることを指摘し、これを変えるのかどうか、中央省庁全体の仕事は減るのか、などを質した。村上担当相は、「地域からの声を踏まえつつ支援措置の充実を図る」、「現行の態勢で対応することとしている」などとした。

 最後に宇佐美議員は、「地域再生法の議論の前に、必要なのは国会の再生だ」と指摘。「私たちは国民から未来を託されている。国民の皆さんの苦労をしっかりと見つめて、痛みを伴う改革はまず政治家と役人から」などと呼びかけて、質問を締めくくった。
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