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2004/03/09
道路関係四公団民営化法案閣議決定にあたって(談話)
ネクスト国土交通大臣 岩國 哲人

 本日、道路関係四公団民営化法案が閣議決定された。そもそも、小泉内閣は「民でできることは民に」をスローガンに、道路関係四公団の改革に取り組みはじめたものである。小泉総理も当初は、「計画中の道路の一時凍結」や「国費を投入せず30年以内で償還」と発言をし、道路関係四公団民営化推進委員会(以下「推進委員会」)の人事では「反 発は覚悟の上。捨て身の覚悟で人選した。」と発言するなど、道路公団民営化は小泉構造改 革のまさに「目玉」と言えるものであった。

 そして、推進委員会が一昨年の12月に意見書を取りまとめた際にも、小泉総理は、「委員の努力を無にしないよう成果を尊重する。必要性の乏しい道路はつくらないという報告を踏まえ、結論を出す。」と述べ、政府も「推進委員会の意見を基本的に尊重する方 針」を閣議決定したのである。

 にも拘わらず、昨年末の政府・与党申し合わせは、推進委員会の田中一昭委員長代理が「意見書の骨格を覆すものと考えざるを得ない」として、委員長代理の職を辞したことからも明らかなように、無責任な需要予測にもとづく償還主義・プール制を維持したままの内容であり、まさに高速道路全線建設という結論ありきの茶番としか言いようがない。

 その申し合わせにもとづく今回の法案には、「不要な道路建設を止め国民負担を最小化」とか「民間企業としての自己責任原則の確立」などという本来あるべき民営化の理念が全く見られない。(1)40兆円の償還という制約はゆるめられ、(2)建設順位の選択肢は広 がり、(3)民間企業への政府保証という資金調達法も与えられ、まさにおんぶに抱っこに肩車、国と家計は火の車。結局は現在の40兆の債務をさらに拡大させ、国民負担を増大させるだけであり、名ばかりの民営化で国民を欺くものであり、「改革」の名にも値しないもの である。

 民主党は、今の道路関係四公団の債務を確定させ、国民負担をこれ以上増やすことなく経済的に極めて効果の高い「高速道路原則無料化」こそが真の構造改革であると考え、この法案の成立を阻止し、民主党政権の下で、すべての道路を国民の手に返す究極の道路改革である「高速道路原則無料化」の公約を実現する。

以 上
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