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2004/04/14
高速道路事業改革基本法案
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目次
第一章 総則(第一条―第五条)
第二章 高速道路事業の改革に関する基本方針(第六条―第十条)
第三章 高速道路事業改革推進計画(第十一条・第十二条)
第四章 高速道路事業改革推進本部(第十三条―第二十三条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、高速道路事業の改革が国民生活及び国民経済にとって緊要な課題となっていることにかんがみ、高速道路事業の改革に関し、基本的な理念及び方針を定め、国等の責務を明らかにし、並びに高速道路事業改革推進計画の策定等について定めるとともに、高速道路事業改革推進本部を設置することにより、高速道路事業の抜本的な改革を推進することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「高速道路」とは、次に掲げる道路(道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第二条第一項に規定する道路をいう。以下同じ。)をいう。
一 高速自動車国道法(昭和三十二年法律第七十九号)第四条第一項に規定する高速自動車国道
二 道路法第四十八条の四に規定する自動車専用道路並びにこれと同等の規格及び機能を有する道路(一般国道、都道府県道又は同法第七条第三項に規定する指定市の市道であるものに限る。)
2 この法律において「道路関係四公団」とは、日本道路公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団及び本州四国連絡橋公団をいう。
3 この法律において「高速道路事業」とは、高速道路の新設、改築、維持、修繕、災害復旧その他の管理並びに高速道路の通行者又は利用者の利便に供するための施設の建設及び管理の事業をいう。
(基本理念)
第三条 高速道路事業の改革は、道路関係四公団の管理する高速道路が多額の投資を要しながら地域において必ずしも有効に利用されていない状況にあることにかんがみ、国等において道路関係四公団の資産及び債務を承継し、道路関係四公団の管理する高速道路の通行又は利用について料金を徴収しないこととすることによりその有効利用を図るとともに、真に必要がある範囲で新たな高速道路の整備を行うことにより高速道路の円滑で快適な利用を図り、もって地域の活性化と我が国の経済社会の活力の向上に寄与するとともに、高速道路事業に係る予算の重点化及び効率化に資することを基本として行われるものとする。
(国等の責務)
第四条 国は、前条の基本理念にのっとり、高速道路事業の改革に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する。
2 地方公共団体その他の関係者は、前項の国の施策に協力するよう努めなければならない。
(改革の実施時期)
第五条 高速道路事業の改革は、この法律の施行後三年以内に実施するものとする。
第二章 高速道路事業の改革に関する基本方針
(道路関係四公団の解散等)
第六条 道路関係四公団は、第十一条第一項に規定する高速道路事業改革推進計画において定める日に解散するものとし、その一切の権利及び義務は、当該高速道路事業改革推進計画において定めるところに従い、その時において国その他の道路関係四公団の権利及び義務を承継すべき者として当該高速道路事業改革推進計画において定める者が承継するものとする。
(道路関係四公団の管理する高速道路の無料開放)
第七条 道路関係四公団の管理する高速道路に係る道路資産(高速道路を構成する敷地又は支壁その他の物件をいう。)を、第十一条第一項に規定する高速道路事業改革推進計画において定めるところに従って承継する者は、当該高速道路の通行又は利用について、原則として料金を徴収しないようにするものとする。
(道路関係四公団の管理する高速道路の管理)
第八条 国は、道路関係四公団が解散する時において、道路関係四公団の管理する高速道路を管理する法人(以下「高速道路管理法人」という。)を設立し、当該高速道路の維持、修繕その他の管理並びに当該高速道路の通行者又は利用者の利便に供するための休憩所、給油所その他の施設の建設及び管理を行わせることができるものとする。
(新たな高速道路の整備)
第九条 国が行う新たな高速道路の整備は、交通に係る需要の動向、高速道路に関する費用効果分析その他交通に係る社会的経済的条件を踏まえ、真に必要がある範囲で推進されるとともに、円滑な交通等の高速道路としての機能が十分に確保されるよう配慮して行われなければならない。
(職員の再就職の促進のための特別の措置)
第十条 国は、高速道路事業の改革の実施に伴い一時に多数の道路関係四公団の職員が再就職を必要とすることとなることにかんがみ、これらの者に関し、再就職の機会の確保及び再就職の援助等のための特別の措置を講ずるものとする。
第三章 高速道路事業改革推進計画
(高速道路事業改革推進計画の策定等)
第十一条 高速道路事業改革推進本部は、この法律の施行後一年を目途として、前章に定める高速道路事業の改革に関する基本方針に基づき、高速道路事業の改革の推進に関する計画(以下「高速道路事業改革推進計画」という。)を定めなければならない。
2 高速道路事業改革推進計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 道路関係四公団の業務の引継ぎに関する事項
二 道路関係四公団の資産、債務その他の権利及び義務の承継に関する事項
三 高速道路管理法人の設立及び運営に関する事項
四 道路関係四公団の解散の時期
五 新たな高速道路の整備に関する基本的方針
六 高速道路の円滑な交通の確保のための課金の制度その他の高速道路の円滑な利用の確保に関する事項
七 道路関係四公団の職員の再就職の促進のために講ずべき特別の措置
八 前各号に掲げるもののほか、高速道路事業の改革の推進のために講ずべき措置その他の必要な事項
3 高速道路事業改革推進計画は、国土の総合的な利用等に関する国の方針に即した有機的かつ効率的な交通網の形成のための交通体系の総合的整備及び環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会の構築のための交通による環境への負荷の低減に係る施策との整合性に配慮して定められなければならない。
4 高速道路事業改革推進本部は、高速道路事業改革推進計画を定めたときは、これを内閣総理大臣に報告しなければならない。
5 内閣総理大臣は、前項の規定による報告があったときは、高速道路事業改革推進計画を国会に報告するとともに、その要旨を公表しなければならない。
6 前三項の規定は、高速道路事業改革推進計画の変更について準用する。
(高速道路事業改革推進計画の実施)
第十二条 政府は、高速道路事業改革推進計画を実施するため、できる限り速やかに、法制上の措置その他の必要な措置を講じなければならない。
第四章 高速道路事業改革推進本部
(設置)
第十三条 高速道路事業の改革を総合的かつ集中的に推進するため、内閣に、高速道路事業改革推進本部(以下「本部」という。)を置く。
(所掌事務)
第十四条 本部は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 高速道路事業改革推進計画を策定し、及びその実施を推進すること。
二 前号に掲げるもののほか、高速道路事業の改革に関する施策であって基本的かつ総合的なものの企画に関して審議し、及びその施策の実施を推進すること。
(組織)
第十五条 本部は、高速道路事業改革推進本部長、高速道路事業改革推進副本部長及び高速道路事業改革推進本部員をもって組織する。
(高速道路事業改革推進本部長)
第十六条 本部の長は、高速道路事業改革推進本部長(以下「本部長」という。)とし、内閣総理大臣をもって充てる。
2 本部長は、本部の事務を総括し、所部の職員を指揮監督する。
(高速道路事業改革推進副本部長)
第十七条 本部に、高速道路事業改革推進副本部長(以下「副本部長」という。)を置き、国務大臣をもって充てる。
2 副本部長は、本部長の職務を助ける。
(高速道路事業改革推進本部員)
第十八条 本部に、高速道路事業改革推進本部員(以下「本部員」という。)を置く。
2 本部員は、本部長及び副本部長以外の国務大臣のうちから、内閣総理大臣が任命する者をもって充てる。
(資料の提出その他の協力)
第十九条 本部は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、行政機関、地方公共団体、独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)及び地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。)の長並びに特殊法人(法律により直接に設立された法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人であって、総務省設置法(平成十一年法律第九十一号)第四条第十五号の規定の適用を受けるものをいう。)の代表者に対して、資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができる。
(事務局)
第二十条 本部に、その事務を処理させるため、事務局を置く。
2 事務局に、事務局長その他の職員を置く。
3 事務局長は、本部長の命を受け、局務を掌理する。
(設置期限)
第二十一条 本部は、その設置の日から起算して三年を経過する日まで置かれるものとする。
(主任の大臣)
第二十二条 本部に係る事項については、内閣法(昭和二十二年法律第五号)にいう主任の大臣は、内閣総理大臣とする。
(政令への委任)
第二十三条 この法律に定めるもののほか、本部に関し必要な事項は、政令で定める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(道路関係四公団民営化推進委員会設置法の廃止)
第二条 道路関係四公団民営化推進委員会設置法(平成十四年法律第六十九号)は、廃止する。
(特殊法人等改革基本法の一部改正)
第三条 特殊法人等改革基本法(平成十三年法律第五十八号)の一部を次のように改正する。
別表第一号の表首都高速道路公団の項、日本道路公団の項、阪神高速道路公団の項及び本州四国連絡橋公団の項を削る。
(内閣府設置法の一部改正)
第四条 内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。
附則第二条第三項を削り、同条第四項中「前三項」を「前二項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第五項中「前各項」を「前三項」に改め、同項を同条第四項とする。
附則第四条第二項を削る。
理 由
高速道路事業の改革が国民生活及び国民経済にとって緊要な課題となっていることにかんがみ、高速道路事業の改革に関し、基本的な理念及び方針を定め、国等の責務を明らかにし、並びに高速道路事業改革推進計画の策定等について定めるとともに、高速道路事業改革推進本部を設置することにより、高速道路事業の抜本的な改革を推進する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。
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