ニュース
ニュース
2005/03/23
【参院予算委】小川勝也議員、郵政より子ども優先の政策求める


 参議院予算委員会は23日午後、総予算に対する締めくくり質疑を行い、民主党・新緑風会から小川勝也議員が質問に立った。小川議員は、予算編成の重要度、プラリマリーバランスの回復、外交問題、日本社会の二極化問題、東京一極集中、雇用環境の劣化、教育問題、子どもたちの悲鳴などを取り上げて、小泉内閣の政策を批判。「子どもたちを守らないでどうするのか。郵政などをやっている場合でない」と政策の転換を求めた。

 小川議員はまず、小泉政権になってからの予算の方向性が財政再建だったことを確認し、プラリマリーバランスの回復への決意を質した。谷垣財務相は「何とか(2010年代初頭の回復という)目標を達成したい」などと答えた。

 次に外交問題に関して小川議員は、北朝鮮問題、日中関係と円借款問題、領土問題、イラクからの自衛隊の撤退時期、在外公館の働きぶり、米国産牛肉の輸入再開問題などを取り上げた。小川議員は牛肉輸入問題について、「輸入再開が前提か。輸入再開はしないとの選択肢はあるのか」を質した。小泉首相は、「科学的知見に基づくことが政府の方針」と従来の答弁を繰り返した。しかし小川議員は納得せず、「99.99%輸入の再開があるとの思いで交渉したのではないか」と詰め寄った。町村外相は、「条件が満たされれば再開。自然体でいけば輸入再開」と答え、国民の食の安全よりも米国との関係を優先する考えを示唆した。

 引き続き小川議員は、米国・EUの農業保護政策について質した後、「農業保護は独立国の基本」として、自給率向上、食糧の大量輸入・廃棄の現状をどう考えるかを質した。小泉首相は、「もったいない、という言葉を親の世代から言われた。自然を含め、循環型社会が当然」と答えたが、自給率向上への具体策は示されなかった。

 また、日本社会の二極化問題をめぐって小川議員は、合併から取り残された市町村への配慮を求めた。麻生総務相は、「特別な配慮をしたい」などと答えた。小川議員は更に、第一次産業の就業者人口の推移を取り上げ、「昭和25年には半分だった。今は5%しかない。農業で食えていた幸せな時代」だったとし、どの程度の産業就業構造がいいのかを質した。小泉首相は、「国内だけで見る時代ではない」などとして、何ら具体的には答えず、日本社会全体を考えるビジョンを有していないことを露呈した。

 最後に小川議員は、少子化社会への対応・問題を取り上げ、その危機意識を質した。小泉首相は、「育ちやすい、産みやすい環境をつくる必要がある」などと答えた。小川議員は、非婚が増えていること、非正規雇用が増えていることを示し、「新しい雇用制度をつくるのか、新しい社会保障制度をつくるのか、大改革をしなければならない」として、地域の教育力、親の教育力も落ちている現状を指摘。「子どもたちを守らないでどうするのか。民主党はチルドレン・ファーストで政策を組み立てている。郵政などをやっている場合でない」と、政策の転換を求めた。
記事を印刷する