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2005/03/25
【参院本会議】森議員、「名前だけ大層」な地域再生法案の欠陥指摘


 25日午前、参議院本会議が開かれ、地域再生法案の趣旨説明に対して、民主党・新緑風会を代表して、森ゆうこ参院議員が質問に立ち、地域再生とは名ばかりで真の分権改革に取り組もうとしない政府・与党の姿勢を厳しく質した。

 森議員は冒頭、福岡県西方沖地震の被災地の一刻も早い復旧・復興を願うと述べるとともに、「地域再生」と言うのであれば、民主党などが既に提出している被災者生活再建支援法の抜本的改正案の審議をまず行い、「災害からの地域再生への姿をまずもって示すべきだ」と力強く訴えた。

 続いて森議員は、「もはやバブル後ではない」との竹中経済財政政策担当相の発言を取り上げて批判しつつ、地方経済の疲弊ぶりを指摘し、「だからこそ地域再生法案を提出する必要があったのではないか」と鋭く指摘。種々の改革について「胸を張って言いつのるのは軽率に過ぎる」と厳しく質した。これに対し村上規制改革担当相は、改革の成果は挙がっているとして、官僚の書いた答弁書の棒読みに終始した。

 地域再生法についても森議員は、地域再生基盤強化交付金がわずか810億円であることなどを指摘し、「名前だけ大層なものをつけて国民に改革が進んでいると錯覚させるもの」と厳しく批判。民主党の主張する一括交付金の考えとも全く違うことを指摘しつつ、中央省庁や族議員にとって補助金の廃止は死活問題である、三位一体改革実現には首相自身が陣頭指揮をとらなければ成功しない、などとの石原元官房副長官の発言を取り上げ、政府の姿勢を質した。

 また、特区構想や地域再生に関し地方からの提案の「応募を待つという受け身の姿勢」ではなく、要望事項の全てを実現するという観点からの再点検とメニューの拡充を求めた森議員は、地方自らが制度改革の提案・実現を目指そうとしている姿勢を指摘し、中央の官僚統制の仕組み全体の抜本改革の必要性を訴えた。

 森議員は更に、市町村合併を決断した市町村長らの話を例に挙げつつ、「国が足かせさえ外せば、地方は自ら立ち、歩くことができる」として、「何も変わっていないのは、小泉内閣であり、小泉総理を頂点とする中央省庁だ」と切って捨てた。村上担当相はこれらの森議員の指摘に対し、「補助金改革は地域からの具体的提案を踏まえたもの」「単なる金額で評価できない大きな改革だ」などとした。

 最後に森議員は、地方分権改革に対する政府・与党の姿勢を、「地方にできることは地方に、と言いながら、相変わらず箸の上げ下げまで、洗った箸のしずくの落ちる先まで国が口を出している。われわれが掲げる真の地方分権とは全く非なるもの」と厳しく断じ、「政権交代で真の分権改革を実現し、地域を再生することがわれわれに課された使命だ」と力強く宣言して質問を締めくくった。
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