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2005/05/25
JR福知山線脱線事故の復旧・再発防止に関する申し入れ
内閣総理大臣 小泉 純一郎 殿
国土交通大臣 北側  一雄 殿


JR福知山線脱線事故の復旧・再発防止に関する申し入れ
民主党 JR福知山線事故対策本部
本部長 菅  直人

 4月25日に発生したJR福知山線の脱線事故から1ヶ月が経った。本事故においては多数の死傷者を出すなど、JR発足以来最大の惨事となった。こうした状況をふまえ、その復旧および再発防止にあたっては、国民の生命、財産を守る最終的責任はすべからく国にあることを十分認識したうえで下記の点に留意し、その対策に万全を期するよう申し入れる。





1.被害者の方々への支援および救済

(1)ご遺族、負傷者、マンション住民など事故の被害者に対する心のケアなどに誠意をもって臨むこと。

2.事故処理および原因究明

(1)警察による捜査、および航空・鉄道事故調査委員会による事故原因の究明について、着実に行うとともに、情報開示についても配慮すること。
(2)今後の見通しについて適時適切な情報開示に努めること。
(3)労働基準法・労働安全衛生法上の問題について徹底的に調査を行うこと。
(4)本事故における行政としての責任の所在について明確にすること。
(5)独立性の確保、および事業者への改善指導を可能とするため、航空・鉄道事故調査委員会を国家行政組織法第3条委員会とするなどその機能の充実に努めること。

3.再発防止

(1)航空・鉄道事故調査委員会、警察による事故原因の究明結果に応じた再発防止策の確立について万全を期すること。
(2)今回の事故の経験から、航空・鉄道事故調査委員会は重大な事故の兆候に関する調査を再度行うこと。
(3)鉄道事業者から提出されるダイヤ変更の届け出については、既提出分も含め安全性の観点から厳格なチェックを行うとともに、必要により確認体制の強化を図ること。
(4)JR西日本が提出する「安全性向上計画」について、その内容の実効性について確認を行うとともに、実施状況について着実にトレースを行っていくこと。
(5)ATS−Pなどの速度抑制機能をもつ保安装置の設置にあたっては、設置基準を明確にするなど効果的な設置を促進すること。また、安全投資全般について鉄道事業者の経営体力を勘案し、必要により助成等の手段を講ずること。


以 上
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