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2004/09/07
【参院沖北委】米軍の協定違反、政府の怠慢を批判


 参議院の沖縄及び北方問題に関する特別委員会で7日、8月13日の米軍大型ヘリ墜落事故に関する閉会中審査が行われ、民主党の榛葉賀津也、喜納昌吉の両議員が政府の対応を追及した。

 榛葉議員はまず、今回の事件への対応をめぐって「政府の緊張感のなさは残念」と述べ、事故発生直後に上京した稲嶺沖縄県知事、伊波宜野湾市長との面会を拒否して映画や歌舞伎を鑑賞していた小泉首相の対応や、事故後、今月1日まで被害を受けた沖縄国際大学と一切接触していなかった外務省沖縄大使の怠慢などを指摘。政府の姿勢を厳しく戒めた。

 また榛葉議員は、事故直後、沖縄国際大学の敷地内に立ち入り、ヘリの機体を収容するために立木を伐採したり、土壌を採取したりした米軍の行為について、同大学の学長が「許可願いも承諾もしていない」と文書で表明していることを明らかにし、「大学側から承諾を得た」とする外務省・防衛施設庁の説明が虚偽であることを指摘。「こんなことが運用上許されるのが現在の地位協定だ」として、協定の改定の必要性を訴えた。

 当選後初の質問に立った喜納議員は、米軍の墜落現場占拠、排他的行動は重要な証拠を隠滅するための行動との見方ができると指摘。その上で、米軍による大学の立木伐採、土壌採取に関して「大学の許可なく行った場合、日米地位協定違反にあたる」と述べるとともに、米軍に返却を申入れ、放射能汚染の有無について徹底調査を行うべきと指摘した。川口外相は米軍の行動について「地位協定上、問題としない」との認識を示し、返還については「米軍は返還の用意があるとしている」とするに留まり、政府の意思は示さなかった。
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