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2004/09/10
岡田代表、ケリー米国務次官補と会談


 民主党の岡田克也代表は10日、表敬訪問に訪れた米国のジェームス・ケリー国務次官補と会談し、日米両国間の懸案の問題について率直な意見交換を行った。会談には、藤井裕久幹事長、仙谷由人政調会長、前原誠司『次の内閣』ネクスト外相、藤田幸久国際局長、北橋健治役員室長も同席した。

 会談の冒頭、岡田代表は沖縄で発生した米軍大型ヘリ墜落事故について言及。「あのような人口密集地でヘリコプター発着訓練を繰り返すことは基本的に無理がある」として、普天間基地の早急な移転を要請した。また同時に、米軍が進める世界的なトランスフォーメーションの中で、沖縄に集中している基地を分散する方向で検討するよう求めた。これに対してケリー国務次官補は、事故について遺憾の念を表明し、「沖縄の人々の心配、懸念はよく分かっている」などと述べるにとどまった。

 また岡田代表は、事故処理をめぐる問題に関連して日米地位協定の改定が必要との認識を強調。「地位協定の締結からずいぶん時間が経った。また日米の同盟関係も深いものになっている。この辺で、運用の改善ではなく、協定自体をより対等なものに変えていくための議論をスタートさせるべきだ」と提起した。ケリー氏は、「協定がよりよく機能するように考えている。改定するには困難があると思うが、この問題について常に協議する用意はある」とした。

 北朝鮮問題をめぐっては前原ネクスト外相が、「韓国の現政権は北朝鮮に対して融和的だ。また、在韓米軍基地が1/3に削減されることで米国離れが進んでいるとも言われる。いかに韓国をわれわれの側につなぎとめ、日米韓が一致して北朝鮮に対応していくかが重要だ」と提起。ケリー氏も賛同し、「米日韓が結束し、核開発や拉致よりも国際社会に参加する方が得だと北朝鮮に分からせる必要がある」と述べた。

 さらに岡田代表が、北朝鮮の核開発をめぐる6カ国協議について「やや硬直状態に陥っているようだが」と懸念を示したのに対し、ケリー氏は、「国連安保理に訴えても中国が反対するだろうし、経済封鎖なども効果があるとは思えない。6月の第3回協議は結果的にうまくいかなかったが、辛抱強く交渉していく以外に選択肢はない」と述べた。
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