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2004/09/16
3野党党首、国会の早期召集を求める要求書提出
 民主党の岡田克也代表は16日昼、国会内で共産、社民両党党首と会談した。3党首は年金、イラク問題、自民党旧橋本派の日歯献金疑惑、米軍ヘリ問題など、課題が山積するなか、早急に国会を開いて議論する必要があるとの意見で一致。政府に対して早期の臨時国会召集を求めることとし、憲法53条の規定に基づく臨時国会召集要求書を河野洋平衆議院議長に提出することを確認した。会談後、3党首はそろって河野議長に申し入れを行い、要求書を手渡した。

 申し入れに先立って行われた記者会見で岡田代表は、国会開会を拒む政府・与党の対応を「国権の最高機関である国会をおざなりにする姿勢だ」と批判、「総理に対しては早期の国会の召集を求め、議長に対しても会期を充分にとって審議を行うよう求めていく」と語った。

 申し入れでは、岡田代表が早期召集とあわせて、充分な審議ができる会期をとるよう河野議長に求めたが、議長は消極的な姿勢に終始した。党首会談、申し入れには民主党から鉢呂吉雄国対委員長、牧野聖修筆頭国対副委員長も同席した。

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臨時国会召集要求書

 「政治とカネ」をめぐる疑惑は絶えることがない。日本歯科医師連盟から自民党・旧橋本派(平成研究会)への1億円献金問題で同派の会計責任者が政治資金規正法違反容疑で逮捕された。この1億円の授受に際して、橋本元総理を始め、自民党の青木参議院議員会長、野中元幹事長が同席していたと報じられているが、明確な答えを避け続けている橋本氏らの対応は、国民の政治不信を一段と高めている。また、日本歯科医師連盟からは、自民党の政治資金団体「国民政治協会」を経由しての自民党所属議員への迂回献金疑惑も浮上している。橋本元総理らの証人喚問の実現など、国民は、国会が速やかにこの問題の真相を解明し、政治資金のより強い透明性の確保をはかる法改正など、国権の最高機関としての責務を果たすことを強く望んでいる。

 また、大量破壊兵器を含むイラク戦争の大義の問題、イラクに派遣されている自衛隊の多国籍軍への参加問題もある。小泉総理は全く説明責任を果たさず、8月に行われた臨時国会でもわずか1日の本会議質疑に応じたにすぎない。わが国の安全保障政策の根幹に関わる問題であり、憲法上の疑義が指摘される重大な問題である。小泉内閣の無責任な対応を放置することはできない。さらには、自衛隊が駐留するサマ−ワを含め、現地イラク情勢の一層の緊迫化がある。自衛隊のイラクからの撤退などを含め、国会の場で徹底した議論が必要である。

 加えて、10月から施行される「04年年金改革法」の問題がある。先の臨時国会では、与党側の数を頼みとした強引な国会運営により、わずか8日間の会期の中で、参議院選挙での「年金改革法にNO」という国民の意思を反映した十分な審議は行われなかった。いたずらに国民に負担増を強い、年金制度の抜本改革を先送りにした法律の施行は中止すべきである。10月の法律施行前に今一度きちんとした年金改革に向けた議論を徹底的に行う必要がある。

 さらには、沖縄における米軍ヘリの墜落事故と在日米軍基地・日米地位協定の問題、相次ぐ台風や集中豪雨などによる災害対策、BSE検査基準の見直し問題等々、喫緊の課題も山積している。 

 以上申し述べたように、上記のような当面する重要な諸課題に対応するため、日本国憲法第53条に基づき、衆議院議員193名の連名により、臨時国会を速やかに召集するよう、強く求める。小泉内閣におかれては迅速且つ真摯に対応されるよう、重ねて要請する。

 平成16年9月16日

 内閣総理大臣
  小泉 純一郎 殿

 安住 淳 外192名
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