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2004/10/27
【党首討論】被災者の立場での支援を 迂回献金の禁止求める


 今国会初めてとなる党首討論が27日、国会内で開かれ、岡田克也代表と小泉首相とが、被災者支援、政治とカネの問題などをめぐって1対1の論戦を繰り広げた。

 冒頭、岡田代表は、イラクで人質となった香田さんの事件を取り上げ、「我々は犯人の言い分を聞くわけではないが、自衛隊の派遣に関連して起きたことであり、救出に大きな責任を負う」として小泉首相に見解を質した。首相は「民間人が人質となっていることに憂慮している。釈放に全力を挙げる」とした。

 次に岡田代表は、党首討論のあり方を質し、「国民に国会の議論を理解してもらう」ためにも重要であるとして、少なくとも隔週での開催と、首相に「逃げずに正面からの答弁」を求めた。首相は党首討論の開催回数には答えず、得意の逃げとすり替えで、「何回でも議論をというのは拒むものではない。どの委員会でも私は受けます」と答えた。

 岡田代表は新潟県中越地震に関して「10万人以上の人がテント、車、体育館などで生活している。厳しい状況。我々も物資調達、募金活動、現地での活動をNPOとともに行っているが、最後は行政。多様な要望がきている思うが、今政治がどれだけのことをやってくれるか、現地は期待している。メッセージを」と首相に求めた。首相は「緊密に連絡をとり、応えるようにしたい」と応じた。これに対して岡田代表は、「被災者の立場に立っての支援が必要。新潟だけでなく、台風の被害地、香川、徳島、兵庫なども訪れた。住宅の再建に、被災者生活再建支援法での300万円の枠を使えるようにする、改正法を提出するが、協力を」と、この国会での、支援法の改正に踏み切るよう求めた。首相は「機敏に柔軟に対応できないか、提案も含めて何ができるか検討したい」とした。

 続いて岡田代表は、1億円のヤミ献金問題を取り上げ、村岡元官房長官の証人喚問の実現へ、首相のリーダーシップを求めた。証人喚問に関して岡田代表は、「本人の問題なら、反対の理由はない」として実現を強く迫った。これに対して首相は「『委員会で決めていただければ出る』と言っている、と聞いている」と何ら指導性を発揮しなかった。さらに岡田代表が「党としての態度、総裁として指示を出せばこの問題は済む」と迫ると、首相は「あれこれ言うべきではない。委員会の決定を尊重する」と全く総裁としてのリーダーシップを示さず、事実上、証人喚問を拒否した。

 岡田代表は、山舞首相補佐官に日本歯科医師連盟から5000万円が贈られ、国民政治協会から領収書が出されている問題を取り上げ、「それに見合う入金が国民政治協会にあったのか。調査したのか、それは銀行振込だったのか」を質し「1分で分かる話。明日報告を」と迫った。首相は「迂回献金はないと報告を受けている」と一般論にすり替えた答弁。

 また、迂回献金に関して、代表が政治資金規正法を改正し、条件付献金について「民主党は禁止条項を置くと主張しているが、与党案にはない」と批判し、改正に応ずるよう求めた。これに対しても首相は、「議員立法で、各党で議論してまとめてほしい」と他人事のような無責任な答弁に終始。岡田代表は「ごまかし、ごまかしで逃げようとしている」と首相の姿勢を厳しく批判した。
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