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2006/05/29
拉致問題対策本部、日韓拉致被害者家族会関係団体と懇談会開く


民主党拉致問題対策本部は29日午後、国会内で、日本と韓国の拉致被害者家族関係団体の皆さんとの懇談会を開催した。北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの夫、金英男(キム・ヨンナム)さんの母の崔桂月(チェ・ゲウォル)さんと姉の金英子(キム・ヨンジャ)さんは体調を崩し参加できなかったが、日韓両国の関係団体とわが党議員とで、率直な意見交換が行われた。

冒頭、鳩山由紀夫幹事長(同対策本部顧問)が挨拶に立ち、「早く横田めぐみさんと金英男さんの2人とも、無事に戻って来られることを、日本国民として期待をし、祈りたい」と語るとともに、脱北者の皆さんの証言で、「拉致された方々の救出に向けて、様々なご協力をいただいている」として、更に日韓両国が協力し合うことで、国民の悲願である「拉致問題を解決するにも大変資することになる」などと述べた。そして民主党としても、北朝鮮人権法案を提出しており、与党とも協議しつつ「通常国会のうちに成立することを期待したい」などと述べた。

 続いて、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)の横田滋代表と横田早紀江さんも挨拶。拉致問題についての対策本部を党として立ち上げたのは民主党が最初であったことにも言及しつつ、北朝鮮人権法案についても、与野党が協議して「いい法案をつくっていただきたい」などと要請し、1日も早い拉致問題の解決を改めて強く訴えた。

 韓国側からは、まず都希侖(ド・ヒユン)韓国拉北・脱北人権連帯事務総長が挨拶し、2004年の鳩山幹事長と中川正春衆議院議員(同対策本部副本部長)が訪韓して連帯を深める集会に参加したことなどに触れ、民主党銀の活躍を見て、ますます努力しなければならないと覚悟を新たにしているところだ、などと述べた。そして、金英男さんの母と姉はこの場にないが、「心は一つだ」として、「お互いに尊重し合い、配慮し合う連帯関係に心より感謝する」などと語った。

 崔祐英(チェ・ウヨン)韓国拉致被害者協議会代表も、特に自らの職場にまで韓国拉致被害者家族の話を聞きに来てくれたとして中川議員の努力に謝意を表するとともに、サッカーW杯共催の成功なども例に、「日韓が一つの心になれば、拉致被害者を取り戻すことができる」との信念を語った。そして、拉致被害者を取り戻す運動の象徴として、日本ではブルー・リボンをつけるが、韓国では黄色いリボンが、家族を待っている象徴だとして、鳩山幹事長の胸に黄色いリボンを取りつけると、参加者から大きな拍手が起こった。

 この後、出席者間では、韓国政府の拉致問題への取り組み、北朝鮮人権法案、民団と朝鮮総連の和解の問題などに関して、率直な意見交換が行われた。最後に、中井洽拉致問題対策本部長が、民主党として一刻も早い拉致問題解決のため、全力を挙げていく覚悟を込めて挨拶し、懇談会を締めくくった。

 今回の懇談会には、民主党側からは他に、松原仁(同対策本部副本部長)・渡辺周(同事務局長)・松木謙公(同事務局次長)・菊田真紀子(同事務局次長)・武正公一(同幹事)・西村智奈美各衆院議員、山根隆治(同事務局次長)・広野ただし(参院拉致問題に関する特別委員会委員長)各参議院議員も参加した。
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