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2004/11/26
【参院イラク特】榛葉議員、不誠実な答弁を繰り返す首相を厳しく追及
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参議院イラク人道復興支援活動等及び武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会が26日開かれ、民主党からはまず、榛葉賀津也参議院議員が質問に立った。
冒頭、榛葉議員は米軍によるファルージャ制圧作戦について、政府がイスラエルのハマスに対する攻撃は非難し、米軍のザルカウィに対する攻撃は奨励している、という外交姿勢の矛盾を指摘。小泉首相は、「状況が全く違う」とし、「武力だけでテロが撲滅されるとは思っていない」などと答弁した。榛葉議員は、米国への憎悪が近隣アラブ諸国にまで拡がっていることなどを指摘。ファルージャ攻撃は「政治的には大失敗だ」と断じ、日本は米英と違う道をとっていくべきだとして、首相の認識を問い質した。首相は、「治安活動に参加していない」などとして「違った行動をとっている」と答えにならない答え。1月の国民議会選挙についても、榛葉議員は、選挙をボイコットする動きが多く出てきている現状を指摘。「これだけコンセンサスが得られない選挙を実施して安定した政治をつくれるか」を問い質したが、首相は「私たちがつくるのでなく、イラク人がつくる」などと、まるで他人事のような答弁。
さらに榛葉議員は、サマワで様々な事件・攻撃が発生している現状を踏まえ、「サマワが非戦闘地域である根拠を論理的に説明して欲しい」と首相に迫った。「イラクの他の地域に比べてサマワは比較的安定している」と正面から答えようとしない首相に対し、サマワでの一連の事件が、継続的・計画的・組織的でないことを「証明する責任が総理にはある」と榛葉議員は何度も質したが、首相は「そうじゃないと思います」などと答弁。
そして、「サドル師派、そしてザルカウィ容疑者のグループは、国または国に準ずる者か」と質問した榛葉議員に対し、首相は、「国とは違う。国に準ずる組織とも違う。準ずる組織とは何かということについては定かではないが、国ではない。国に準ずる組織とは何かという定義、これはなかなか難しい定義だ。いわゆる、国ではないということは事実だ」とまさに支離滅裂な発言。榛葉議員が再度尋ねても、代わって答弁に立った大野防衛庁長官が「国または国に準ずる者同士の武力紛争にはあたらない」などと答弁し、首相はその後、棒読みの答弁を繰り返した。
また、サマワでロケット弾を発射した者がフセイン政権の残党かどうか確認できないとする答弁に対して榛葉議員は、「未だに分からないということは、ずっとこの地域が戦闘地域か非戦闘地域か分からないということだ」と断じ、不誠実な答弁を批判。さらに、「唯一、現地がどういう状況にあるか知る手がかり」だとして、外務省のサマワ駐在事務所の報告書の公開を求めた。また、政治家自身の責任として現地の治安状況を自らの目で見ることが大切だと指摘するとともに、派遣延長か否かについて決めた際には、首相が国会でその理由、背景を明確に説明すべきだと指摘して、質問を締めくくった。
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