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2004/11/30
政倫審で橋本元首相追及 1億円授受「客観的事実」として認める
 衆議院政治倫理審査会は30日、審査会を開き、日本歯科医師連盟(日歯連)から自民党旧橋本派の政治団体「平成研究会(平成研)」への1億円ヤミ献金をめぐる政治資金規正法違反事件に関して、橋本元首相から弁明を聴取。審査会で質問に立った民主党の永田寿康、辻恵議員はじめ、鉢呂吉雄国会対策委員長、高木義明同委員長代理、池田元久同総括筆頭副委員長、玄葉光一郎衆議院議員らが審査会終了後に国会内で会見を開いた。

 会見では審査会における橋本元首相の弁明について、日歯連の臼田貞夫前会長から料理店で1億円の小切手を受け取り、元会計責任者・滝川俊行被告に手渡したとされる点について、「自分が使っている車の運転日報や事務所の記録から、会食したことが客観的に認められる」と述べ、1億円の小切手受け取りについては、「臼田前会長が(自分に)小切手を渡したと話し、滝川被告が(自分から)小切手を受け取ったと話している」と関係者の証言を列挙して、「客観的事実として授受はあったと感じている」とした。

 また、会食したとされる料理店の予約は橋本事務所が行い、支払いは橋本元首相の政治資金団体から支出したことを明らかにした。ただ、政治資金収支報告書不記載への関与をめぐっては、不記載を検討するよう橋本元首相が指示したとされる平成研の幹部会について「開かれたかどうかも知らなかった」とし、領収書を出さない旨を指示したことについて「自分は主体的に指示していないし、報告も受けていない」と関与を否定した。

 1億円の使途や平成研の繰越金の行方については「わからない」とし、派閥の長として監督不行き届きだったことを恥じるとの弁を繰り返したが、議員辞職には言及しなかった。

 さらに、説明責任を果たすためいかなる場にも出る考えがあるかとの問いには、「納得できないといってもそれまでの話」と橋本元首相は開き直り、今回の政治倫理審査会をもって打ち止めとし、再度弁明する意志のないことを明らかにした。

 会見後に鉢呂国対委員長は「こうしたことを繰り返していては国民の政治不信は払拭できない」と語り、引き続き証人喚問を求め、追及の手を緩めない考えを改めて示した。
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