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2004/12/10
岡田代表、シュレーダー独首相と会談 日独常任理事国入りで同意


 岡田克也代表は10日午前、シュレーダー・ドイツ首相と都内で会談。昨年の衆院選・今年の参院選で民主党が比例第一党となったことを岡田代表は告げ、「ドイツの選挙制度であったならば、当然与党になっていた」となどとするやり取りから始まり、充実した意見交換が行われた。

 国連の「ハイレベル委員会」が示した常任理事国の6増案を念頭に、前日行われたシュレーダー首相と小泉首相との会談でも話された日独両国の国連安全保障理事会常任理事国入りに関して岡田代表は「異論はない。両国とも入るべき」として同意を表明。シュレーダー首相は新常任理事国の有力候補である日本、ドイツ、ブラジル、インドの4カ国に加え、アフリカ地域や南米を加えるべきとの考えが示された。

 岡田代表はイラク戦争、自衛隊のイラク派遣に反対した民主党の立場を明らかにした上で、日本政府のイラクへの対応について「日米同盟の重要性を配慮した結果」と指摘。「単独行動主義」「先制攻撃論」といった指摘もあるブッシュ米国大統領の政治姿勢に懸念を示し、国際協調主義への政策転換への期待感を強調した。

 シュレーダー首相は「米国の個々の政策へのコメントは控える」と語り、一般論とした上で「友人である場合は、感じたことをオープンに率直に議論することが重要。意見が異なった場合は話し合うことが重要」として、同盟国のあり方に言及した。

 岡田代表はまた、欧州連合(EU)が共同歩調をとる京都議定書や人道犯罪を裁く国際刑事裁判所の尊重について「賛成」の立場を表明。「EUと同じ立場から連携していきたい」と語った。シュレーダー首相からも賛意が示され、特に省エネや環境改善に向けた最先端技術の開発に向け、産業界と連携して取り組んでいく必要性が指摘された。

 また、中国との関係について岡田代表は「日中関係は非常に重要。経済的側面だけでなく、安全保障の側面からも重要」と語り、中国の安定的成長に日本が関与していくべきとした。シュレーダー首相も政治的にも経済的にも中国と良好な関係を結んでいきたいとの考えを示し、対中国貿易量を現行の2倍と予定だとする考えを示した。

 会談には藤田幸久党国際局長が同席した。
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