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2004/12/14
【参院拉致特】林・白議員、政府に対し毅然たる対応を要求


 参議院の北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会は14日、閉会中審査を行い、民主党からは林久美子、白眞勲両参議院議員が質問に立ち、政府に対して、国民への説明責任を果たし、北朝鮮に対して毅然たる対応をとるよう要求した。

 林議員はまず、小泉首相が国会に出席して国民への説明責任を果たそうとしない姿勢を厳しく追及し、「北朝鮮との対話以前に、国民との対話が重要だ」と断じて、質問に入った。林議員は、これまでの政府の対応を振り返り、「これまでの対北朝鮮外交は行き詰まっている」として、横田めぐみさんの遺骨とされたものが別人と判明したことなどを踏まえ、今回の結果を分析・検証し、今後の取り組みに活かすことの必要性を強調。町村外相はこれに対し、「年内には対応を決めなければならない」などと答弁した。

 また、これまでの首相発言なども踏まえて、「期限を切っての経済制裁を考えているか」などと林議員は問い質した。町村外相はこれに対し、「今、資料の精査をやっているところ」だとし、「色々な可能性を考えながら今後対応していきたい」と煮え切らない答弁。林議員は、「この場は議論をする場」だと指摘し、「きちっとお答えいただくことが国民に対する責任だ」と断じた。また、六ヶ国協議での核問題等の議論の必要性にも言及した林議員は、「しっかりとした政府の対応を」と要求し、質問を締めくくった。

 次に質問に立った白議員は、北朝鮮との交渉にあたって、「韓国への働きかけを具体的に考えているか」を質すともに、横田さんと夫とされている人物の特定についても、詳細に質問を行った。藪中アジア・大洋州局長は、「詳細についてはご説明することは控えたい」「精査の作業を行っているところ」などとして、具体的な答弁を控えた。

 また白議員は、人道支援についての小泉首相の「諸懸案についての北朝鮮の対応と関連づけて実施されるものではありません」との答弁を読み上げ、横田さんの遺骨が偽物であったことなどを踏まえ、「こうした状況の中でWFPから要請があってもこれに直ちに応ずる状況にないと判断した」との町村外相の答弁との矛盾を突いた。町村外相は、「直接的な対価、見返りではないと申し上げている」などとした。しかし白議員は納得せず、25万トンもの食糧支援を行うことを決めたことについて、「身代金的な意味合い」をもっていたのではないかと追及。町村外相は、当時「全般的な雰囲気の改善がみられたのは間違いない」などとして、食糧支援を正当化した。白議員はこうした答弁に対して、「われわれが何か譲歩する話ではない」と厳しく指摘した上で、六ヶ国協議の場において拉致問題が取り上げられるようさらなる外交努力を求め、質問を締めくくった。

 質疑の最後には、「改正外為法や特定船舶入港禁止法等現行の国内法制上とり得る効果的制裁措置の積極的発動を検討すること」などとした「北朝鮮による日本人拉致問題の解決促進に関する決議」が、民主党・新緑風会と自民党、公明党、共産党の各派共同で提案され、全会一致で可決された。
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