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2003/09/29
【衆院本会議】「小泉首相では日本沈没を防げない」菅代表が代表質問


民主党の菅直人代表は29日、衆議院本会議で小泉首相の所信表明演説に対し代表質問を行った。原稿なしで質問に臨んだ菅代表は、「構造改革の種をまき、ようやく芽が出てきた」と自画自賛する首相に、「総理の公約に真正面から反対してきた青木参院幹事長を味方に引き入れて再選したが、これで公約が実行できるのか。2年半もかけてまだ芽が出た段階というようなスピードでは、日本が沈没することを防ぐことはできない」と断じ、小泉首相に一刻も早い退陣を求めた。

 菅代表は、民主党の政権公約(マニフェスト)をもとに、事務次官会議廃止など官僚政治の打破、雇用・景気重視の経済運営、郵貯・簡保資金の中小企業向け金融への活用、高速道路無料化、衆議院比例定数の80削減や選挙権年齢の18歳への引き下げなどを具体的に提案。同時に小泉首相に対して、道路公団の民営化により通行料金は未来永劫無料にならないのではないか、郵政民営化の際に郵貯・簡保をどう取り扱うのか、イラクへの自衛隊派遣や財政支援を具体的にどうするのか、などと質した。

 答弁に立った小泉首相は、郵政民営化問題について「これからの構造改革の本丸。党内に今まで反対の声があったが、必ず党の公約にする」などと手振りを交えて雄弁に答えた以外は官僚答弁の棒読みに終始し、郵貯・簡保問題、道路公団民営化後の料金無料化の有無、イラクへの財政支援などの具体的質問には答えなかった。

 再質問に立った菅代表が「まさに官僚主導政治の実態を示す答弁」と批判し、再答弁を求めたが、小泉首相は「これから案をまとめる。先送りでも何でもない」と開き直り答弁を連発。イラクへの財政支援の再答弁漏れを指摘され、異例の再々答弁を行ったが、「国際社会の一員としての責任を果たす」と無内容な抽象論に終始した。
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