2003/09/30
【参院本会議】千葉議員、無責任内閣の退陣迫る
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民主党・新緑風会の千葉景子議員は30日、参議院本会議で小泉首相の所信表明演説に対する代表質問を行った。千葉議員は淡々としかし鋭い口調で首相が就任後2年半、「自民党をぶっ潰す」「改革断行内閣」「改革なくして成長なし」と次々にスローガンを打ち出すだけで、何ら成果をあげていない実態を指摘。「ぶっ潰したのは自民党ではなく国民生活だ」と断じた上で、内閣改造の大義名分を質した。
小泉首相は「進めてきた改革の芽を大きな木に育てるため」などとし、「今後、民間にできることは民間に、地方にできることは地方に、改革なくして成長なし」などと従来のフレーズを繰り返すだけだった。
千葉議員は年金改革について、持続可能な制度として国民すべてに適用される新たな「二階建て」の年金制度の再構築を民主党は目指していることを提示。「官僚まかせでなく、政治家が責任をもって議論を進めるべきだ」として小泉首相の見解を質した。首相は「若者と高齢者が支えあう持続的な制度を構築することが必要。また基礎年金の国庫負担割合の引き合いについては基礎年金の給付水準、財政方式を含めて幅広く検討し、安定した財源の確保が必要」としたが、具体的な手立ては示さなかった。
特殊法人や認可法人改革めぐって千葉議員は、昨年来50以上もの見直し法案が審議されたが、多くが独立行政法人への看板の架け替えにすぎない実態に言及。また民営化推進委員会メンバーの猪瀬直樹氏から「総理は第三者のわれわれに丸投げしてくれて、いっさい口を挟まなかった」と酷評されるほど、首相が全くリーダーシップを発揮していない道路公団民営化に関して「委員会意見書すら骨抜きにするつもりか」と質問。首相は「委員会の意見を基本的に尊重するとの方針のもと、政府与党間での協議を経て民営化の概要を決定し、平成17年度からの民営化に向けて、来年の通常国会に民営化関連法案を提出することにしている」などとするにとどまった。
また、郵政の民営化が自民党マニフェストに具体的に盛り込まれているかを小泉首相に質したが、「英語で訳せばマニフェスト、実態は公約と変わらない。総裁選の公約としてかかげて再選された」などとするだけで、自民党内で抵抗勢力を前に郵政事業民営化を実現し得るか否かについてはあくまで明言しなかった。
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