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2005/10/17
前原代表、日本記者クラブで講演「真の改革競争という姿勢を貫く」


前原誠司代表は17日昼、日本記者クラブで講演し、「真の改革競争という姿勢を貫きたい」として、今後の政策的課題への対応などについて語った。

 就任1ヶ月を迎えた前原代表は、講演の冒頭、「政治の大きなトレンドとして、いい意味での改革が、より定着してゆくのではないか」と指摘。自民党においても、いわゆる「小泉チルドレン」は改革を求めており、経済財政諮問会議や小泉首相自身の意向が、党の政策決定に反映される可能性も高いとの見方を示した。

 そして前原代表は、自民党の変化を前提とすれば、民主党のスタンスが非常に重要なポイントになると述べ、「改革の中身について徹底的に揚げ足を取り批判する」「競争の土俵に乗って対案を示す。与党が示さないものには提案し続ける」という、2つの取りうる立場に言及。「改革という文字に後ろ向きになったり、揚げ足をとったりしていれば、次の選挙で民主党という政党はなくなるとの思いを持っている」と明かし、今回の選挙結果を真摯に受け止めるのであれば、真の改革を競争する姿勢を重視したいとの見解を示した。

 対案・提案路線に関してはさらに「良いことは応援し、おかしなことには徹底的におかしいという。やらないことは提案して、与党が取り入れるならそれでいい」と表明。与党に手柄を取られることを懸念するような党利党略ではなく、国民の視点に立った政党であるかが、党再生に関わるとの考えを示した。

 ポスト郵政の課題については「財政」を重視すると表明。特に「特別会計」「公務員制度」「地方分権」「公共事業」「省庁再々編」の5テーマを挙げて、提案という形でまとめたいと語った。

 特別会計改革については、一般会計特別会計を一体化した予算案(対案)をまとめるという考え方を持っているとして、来年の通常国会の大きいテーマにすると述べた。公務員制度改革については、特別国会では方向性を示すとした上で、通常国会では、労働三権の付与や身分保障廃止に関して、党としての考え方を出したいと意欲を示した。

 国と地方の関係の仕分けについては「自民党と民主党の大きな違いは、社会の将来像にある」と述べ、地域で物事を決められる仕組みを作れば、公務員数の削減にもつながるとの考えを示した。「行財政改革の本丸は、分権の議論だと思う」と前原代表は指摘し、与党政府に先駆けて、分権型社会のあり方を提案したいと述べた。

 公共事業については、量も多く価格が高いとの感覚があるとして、改革の議論を行いたいと語った。省庁再々編については、FTA交渉や東シナ海ガス田開発など、経済外交が行われる体制について問題があると指摘し、統治機構のあり方を含めて議論が必要との見解を示した。

 前原代表は、首相の靖国神社参拝についても講演で言及し、「A級戦犯が合祀されている靖国神社には、総理は参拝するべきでない」との考えを、国民の負託を受けている政治家が結果責任を負うという観点から説明した。その上で、小泉首相は、国立墓地・追悼施設を作るという公約に着手すべきであり、また、神社本庁に遷座について検討してもらうべきであるとの見解を示した。
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