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2005/10/25
米国産牛肉輸入再開は問題が多い 前原代表が会見で懸念表明


前原誠司代表は25日午後、党本部で定例の記者会見を開催し、参議院神奈川県選挙区補欠選挙結果と対案路線の継続、消費税アップとの自民党内の議論、米国産牛肉の輸入再開問題、無宗教の国立追悼施設建設に向けた超党派議員連盟設立への動きなどについてコメントした。

 前原代表はまず、参院神奈川県補選の結果について触れ、「残念ながら敗北をした」ことについて、牧山ひろえさんという素晴らしい候補者を立てたが、先の総選挙での県内小選挙区全敗の雪辱を果たすことができず、「自公の連合艦隊の力の前では、まだまだわが党は力不足であった」と率直に指摘するとともに、相手候補との知名度の差などにも言及した。

 その上で前原代表は、代表自身が訴え続けてきた「対案路線・真の改革競争」について、選挙戦中の手応えの中で、「多くの国民の皆さまから支持をいただいていると確信した」と述べ、「国民の皆さまのためにも、真の改革競争をこれからも続けていく」と明言した。

 また昨日、自民党の研究会で福祉目的の消費税率アップを中間報告としてまとめたことにも前原代表は言及し、仮に福祉目的税であっても、「行革なくして増税なし」との民主党の主張を改めて述べ、「福祉目的税だから全て許されるというわけではない」とした。その上で前原代表は、「他の歳出カットへのインセンティブが無くなる」ことなどにも触れつつ、「安易な消費税増税には反対をしていく」として、「この議論に関しては厳しく臨んでいきたい」との意向を改めて示した。

 更に前原代表は、米国産牛肉の輸入再開問題についても、昨日の食品安全委員会のプリオン専門調査会で、「結論ありきでまとめようとしたのが、結果的には委員の方々の反発が多くてまとめることができなかった」ことにも触れて、危険部位除去、肉骨粉使用、リスク管理を誰が行うかなど、「私は問題が多いと思っている」と指摘。ブッシュ大統領の来日を前に、「国民の食の安全を犠牲にして無理強いをすることは、絶対に認めてはならない」と厳しい口調で述べ、「むしろ長い目で見れば日米同盟関係を悪くすることになる」「国民の日米関係に対する評価をおとしめる可能性が、むしろある」として、「日本基準をしっかりとアメリカに伝えて、それを採用させるように努力をするべきだ」と、強い口調で指摘した。

 続いて前原代表は、代表自身にはある自民党議員を介して自民党の山崎拓衆院議員から、鳩山幹事長の下には公明党の冬柴幹事長から、それぞれ連絡があり、無宗教の国立追悼施設の建設に取り組むための、超党派の議員連盟設立の申し出があったことを明らかにした。

 前原代表はこの件に関し、「無宗教の国立追悼施設の設立はマニフェストにも書いていること」と指摘しつつ、A級戦犯が合祀されている靖国神社への総理の参拝が、「アジアとの関係を結果として損なっている側面もある」と改めて指摘。「まずは調査費を予算案の中に盛り込んで、道筋をつけたい」と述べ、「与党の申し入れについては、われわれは受けようと思っている」と言明した。そして前原代表はこの議連の中では、「総理や責任ある立場の方」の靖国参拝は慎むべきであるとのわが党のスタンスを、しっかり伝えていきたいとの意向も示し、第一回の会合は28日に開かれ、各党5名ずつ役員を出すこと、わが党からは前原代表と鳩山幹事長が出ることについてまでは決まっていることも付け加えた。
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