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2005/10/26
【衆院厚労委】山井議員、当事者無視の自立支援法案の問題追及
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衆議院厚生労働委員会で26日、民主党・無所属クラブの山井和則議員が質問に立ち、障害者に対する1割の自己負担を求める政府の障害者自立支援法案をめぐり、「自立の障害になる」との観点から尾辻厚労相と議論を展開した。
山井議員は冒頭、韓国・台湾ハンセン病訴訟で25日に言い渡された東京地裁判決に言及。植民地下の隔離政策で療養所に強制収容され、過酷な人生を強いられた人たちへの被害補償を認めなかった国への補償を改めて求めたのに対し、台湾訴訟の原告は勝訴、韓国訴訟の原告には敗訴の判決が下されたことを取り上げた。「4年前、ハンセン病の元患者や被害者の方々を一括救済するということで議員立法で法律をつくったわけだが、(この判決を見るかぎりにおいては)その法律も不十分であったことがわかった」と述べ、国会の責任も問われているとの見方を示した。その上で山井議員は「告示をさげればすむ」と語り、韓国の原告団の平均年齢が80歳を超える現状等も踏まえ、尾辻厚労相に対して法改正ではなく運用解釈をかえることで対応するよう強く求めた。これに対して厚労相は「判決内容を詳細に検討する」「関係省庁と対応を考える」と述べるにとどまった。
続いて、厚労省が「10年以内に7万2000人の社会的入院を精神病院から解消する」との目標を掲げ、同時に、障害者自立支援法案においても「脱・施設」「脱・病院」として地域で暮らせる社会を目指していることを取り上げた。尾辻厚労相にその方針に間違いないことを確認したうえで山井議員は、その実態は在宅サービスの利用者負担額は障害者自立支援法案成立後は6倍となり、通所施設利用料は12倍になることを指摘。「言っていることとやっていることが違う。これだけ(負担が)増えれば利用しにくくなるということだ」と厳しく批判した。
また、政府が精神病院などの敷地内にグループホームやケアハウス等の設置を検討している問題も取り上げ、社会的入院解消・脱施設などとは程遠い、看板の架け替えにすぎない実態を浮き彫りにした。山井議員は「地域にお戻りいただかないと意味がない」と重ねて指摘し、政府の姿勢を極めて問題視した。
山井議員は障害者の方々の不安が解消されない背景には、この法案成立後の姿が全く見えないことに起因するとの見方を示し、「自分が受けているサービスはこの法案になったらどうなるか。維持されるのか減るのか。障害程度区分でいくつになるのかを知りたい」との切実な声が多くの障害者の方から寄せられていることを明らかにした。その実態について「そろそろ明らかにすべきだ」と述べ、尾辻厚労相に障害程度区分や規準等の明示を求めた。厚労相は障害者程度区分については「6段階程度」と述べたが、明確な答弁は回避。山井議員が「障害の程度が一番高いランクの人はどれくらいのサービスが受けられるか」と重ねて質したが、「今まで受けているサービスが受けられなくなるということはない」などとするだけだった。
山井議員は「障害者にとってはまさに生命に関わる問題だ」と改めて指摘し、当事者である障害者の方々を無視した政府のやり方を批判。「主人公は被害者の方々なのですから、この法案で(ご自分たちのサービスが今後)どうなるかわからんという情況での審議終了は決して許されない」と述べ、法案の慎重審議を強く求め、質問を終えた。
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