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2005/10/26
【衆院厚労委】菊田・田名部議員、自立支援法政府案の問題点指摘
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26日午前、衆議院厚生労働委員会において政府提出の「障害者自立支援法案」および民主党提出の対案である「障害者自立支援・社会参加促進法案」に関する質疑が行われ、菊田真紀子、田名部匡代の両衆院議員が利用者の立場に立って政府案の問題点を幅広く指摘した。
まず、菊田真紀子議員が質問に立ち、政府案について、政省令に委ねられている事項があまりに多く、「いくら議論しても全容が明らかになってこない」と厳しく指摘し、障害を持つ人とその家族の人生に大きくかかわるこの法改正は拙速であってはならないと釘を刺した。
菊田議員は、手話通訳の配置を例にとって、国会審議を見聞きする障害者への配慮不足を指摘した。そして、聴覚障害者にとって大きな意義を持つ要約筆記の政府案での位置づけを質問し、厚労省社会援護局長はコミュニケーション支援事業は市町村の実施事業として位置づけていると答弁した。
菊田議員は、従来施設から地域への移行のために大きな役割を果たしてきたグループホームを病院の施設内に置くことを認めるのは、時代への逆行ではないかと指摘した。厚労相の答弁は、様々な意見がある中で、一定の条件の下で、やむを得ないという曖昧なものであった。
菊田議員は、応益負担というならば所得保障が前提となるべきであるとの立場から、現在の政府の施策の不十分さを指摘しつつ、民主党の対案を質問した。これに対して民主党案の提出者である園田康博衆院議員は、就労支援の強化と年金制度改革における障害者基礎年金の引き上げ、さらには障害者手当の政治責任による引き上げを行うと答弁した。
菊田議員は、政府案によって市町村が行う相談支援事業がどう変化するのかを質問し、都道府県がバックアップしていくとの答弁を得た。
続いて、田名部匡代議員が質問に立ち、政府案の基礎となる障害程度区分に自治体の財政状況や担当者などによってバラつきが生じるおそれがあることを指摘したが、厚労相はマニュアル化などを徹底することによって防げると答弁した。この点について民主党の園田議員は、民主党案は現行制度を前提として支援費制度を継続・拡充していくとしつつ、政府案については障害区分の内容をより明確に説明する義務があると指摘した。
田名部議員は、障害程度の認定に不服がある場合の申立て制度を取り上げ、制度が簡便で利用しやすいものでなければならないことを指摘しつつ、都道府県への不服申立だけでは不十分であると追及したが、社会援護局長はそれ以上は訴訟によるしかないと答弁するだけだった。
田名部議員は、社会福祉法人が障害者を受け入れている場合には社会福祉法人に対して負担の減免措置を認めているが、実際にはNPO法人がその役割を果たしている地域がある現実を指摘し、政府案におけるNPO法人の位置づけを質した。これに対して、厚労相は質問のような場合について、同様の措置をNPO法人について認めると答弁した。
田名部議員は、現行の支援費制度が2年間で破綻したのは政府の責任だと指摘しつつ、必要な予算が確保できなくなった場合には政府案の前提が崩れてしまう点を衝き、「予算が満額認められた場合に限り施行する」こととしたらどうかと迫った。これに対し厚労省は、義務的経費にしたのだから大丈夫だとの答弁を行うのみだった。
田名部議員は、政府の答弁は質疑を通して「努力する」「検討する」というものが多く、障害者の不安に応えるものではないと厳しく指摘して、午前の質疑を終了した。
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