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2005/10/28
【衆院厚労委】郡議員、支援法の問題点を指摘し対策充実を訴える


28日午前、衆議院厚生労働委員会で政府提出の障害者自立支援法に対して、郡和子衆院議員が質問を行い、障害者施策を充実させて国の形を変えようと訴えた。

 郡議員はまず、障害者問題について自らが関与して作成したテレビ番組や映画「車椅子の青春、限られた日々」にふれ、障害者の怒りが社会を動かした事実を指摘した。そして、社会保障支出の対GDP比がOECD諸国平均で22.3パーセント、EU平均で24.5パーセントであるのに対して、日本が17.5パーセントである現実を示し、「障害者予算を増やし、この国の形を変えていくべきだと」と訴えた。

 郡議員は、「建前は定率負担だが、限りなく応能負担とした」という尾辻厚労相の発言を捉え、それならば何故応益負担と言わざるを得ないのかと迫った。これに対して、厚労相はユニバーサル化の中で契約が必要となったこと、および介護保険制度との整合性をとる必要があることを理由としてあげた。

 郡議員は、複数のサービスを利用した場合には、サービスごとではなく全体としての負担限度額を設定する必要があると指摘した。これに対して社会援護局長は、障害と介護については調整が決まっており、医療と介護については調整が予定されているが、補装具については現在と同様にサービスごとに負担を求めると答弁するのみだった。

 郡議員は、応益・定率負担の大前提となる所得保障の重要性について質問し、厚労相はその重要性を認識しており、3年間でしっかりした結論を得たいと答弁した。

 郡議員は、福祉的就労から一般的雇用への移行の重要性、小規模作業所が新体系に移行する際の具体的な要件が未確定なことなどについて質問し、さらに障害区分で大きな役割を果たす審査会委員からの障害者排除の可能性について追及した。

 郡議員は、新制度の財政的な基盤を取り上げ、自治体負担となる4分の1の財源について交付税で手当てされることを確認しつつ、財政調整基金の検討を促したが、社会援護局長は消極的な答弁に終始した。

 最後に郡議員は、21世紀の国のあるべき姿を考えるとき、政府案の拙速な成立への危惧を述べて質問を終わった。
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