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2005/09/29
【参院本会議】円副会長、郵政民営化に関し首相の政治姿勢問う


29日午前から、参議院本会議において、小泉首相の所信表明演説に対する代表質問が行われ、民主党・新緑風会のトップバッターである円より子参議院副会長は、郵政改革、財政再建、外交問題などについて首相の見解を質した。

 円議員は初めに、郵政改革、財政再建、通貨、防災という、国民の安全・安心に関わる政策に対する首相の考え方を追及。

 郵政改革については、「国民の汗の結晶である最後の350兆円を、国民のために守る責任が総理にはある」と述べ、外国資本による民営化後の日本郵政株式会社(持ち株会社)の株式取得の制限について質した。首相は「政府が安定株主として議決権の3分の1超を保有し、特殊会社として主務大臣による監督規定を設けている」と、外資規制を設ける必要はないとの見解を示した。

 財政再建に関連し、国の31の特別会計について、ゼロベース見直し、事業廃止や民営化を含めた抜本改革をすべきと円議員は表明した。これに対し、首相は「近年硬直化して無駄な支出が行われているのではないか等の問題があると指摘されている」と認め、特別会計の事務・事業等を精査し、徹底した改革を行うなどと答弁した。

 円議員はまた、日中、日韓関係、自衛隊の海外派遣、在日米軍再編問題を取り上げて、「日本の安全と繁栄には、世界の平和と安定が欠かせない」との首相の認識と、外交への対応を質した。

 自衛隊の海外派遣問題については「何事も進むのはたやすく、引き際のタイミングをとらえることは難しい」と指摘。12月14日の自衛隊の派遣期限を国会閉会後に強行的に決めるべきでないとした。

 首相は、「総合的に勘案して判断すれば現時点で非戦闘地域の要件を満たさなくなったとは考えていない」として、派遣期間終了後の対応については、イラクの復興支援の現状、諸外国の支援状況等見ながら、日本の国益を十分勘案して判断すべきだと答弁した。

 このほか円議員は、在日米軍の再編成問題について認識を質し、首相は「在日米軍の抑止力を維持し、沖縄等、地元の負担を軽減するという日米間の認識は一致している」と表明。日米間調整に基づいての中間報告の見通しについては、公表の時期、形式、内容は決定していないとした。

 再質問で円議員は、郵政民営化に関する米国の対日要求を例に挙げ、首相の説明責任と改革の先にあるものを追及したが、首相は、郵政民営化は以前からの持論であり、国民の審判は下ったと、明確な返答を回避。構造改革により、金融、物流といった面で国際競争に対応できる体制作りをすると述べた。
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