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2005/09/30
【衆院予算委】松本政調会長、自民党マニフェストの食い違いを追及


30日午後、衆院予算委員会において松本剛明政調会長が前原代表からバトンを継いで質問に立ち、郵政民営化案の問題点や定率減税に関する自民党の公約と政府の政策の食い違いを追及した。

 冒頭松本政調会長は、本日大阪高等裁判所で小泉首相の靖国神社参拝に対する違憲判決が出されたことを取り上げ、首相として参拝する意味は重いと指摘し、首相に参拝継続の意思を問い質した。これに対して、首相は違憲とは思わず、違憲でないという判決もあると答えた。政調会長は、首相が司法判断を行うわけではなく、また明確に合憲とした判決はないはずであると述べたうえで、首相の今年中の参拝の意思を問い質したが、首相は「適切に判断する」と明確な答弁を避けた。

 次に政調会長は郵政民営化問題をとりあげ、政府案では巨大な民間会社ができ、民業圧迫になると指摘して、民主党は郵貯限度額の引き下げなどを提案すると述べた。これに対して首相は、民業圧迫になる懸念を認めつつも、限度額を引き下げると経営が成り立つのかなどと苦しい答弁を行った。また、郵貯銀行などは官が育てたものなので、代表質問に対する首相答弁のように市場の中で適正規模に持っていくのは困難である点を指摘し、首相答弁の訂正を求めたが、首相は規模適正化は段階的にしか出来ないとのみ答弁した。

 政調会長は、国債と財投債は使途も償還財源も異なるので明確に区別すべきであると主張したが、竹中郵政担当相はそういう制度設計はイメージが浮かばないと答弁し、また谷垣財務相は区分経理すれば問題ないと答弁して、提案を正面から受け止めなかった。

 政調会長は、郵便局のネットワークの維持は公社形態によるべきであると主張した上で、政府の民営化法案における過疎地のネットワークの維持が各種の地域振興法の対象地域に限定されている点を捉え、それらの地域振興法に改廃があった場合におけるネットワークの維持について質問した。これに対して、郵政担当相は民営化法成立時の地域について維持をしていくと答弁した。

 政調会長は、定率減税の廃止や各種所得控除の見直しによるサラリーマン増税について、自民党がマニフェストや幹事長発言などで否定的な主張をしているにもかかわらず、政府は政府税調や財務相などが肯定的な主張をしている点を捉えて、国民に対する公約を守るべきであると迫った。財務相は、まだ決めているわけではないと苦しい答弁で応じ、首相は、税制全体の中で見直しを行うとの抽象的な答弁で応じるのみであった。

 さらに政調会長は、公務員給与決定について人事院勧告に政府としての判断を加えるべきではないか、また年金について自民党が真剣に協議に応じる気があるのか、などについて政府を追及した。
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