2003/11/25
【衆院予算委】菅代表、大義なきイラク派遣に警鐘
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衆議院予算委員会の基本的質疑が25日に開かれ、民主党の菅直人代表が質問に立った。菅代表は、今国会での所信表明を拒否した小泉首相に対して、内外の諸問題に向けた基本政策を質した。
菅代表はまず、イラクへの自衛隊派遣問題について質問。年内の派遣の有無や14回にわたる調査団派遣の結果を一向に明らかにしない政府の姿勢を批判した上で、「(派遣先として検討されている)サマワは非戦闘地域だと判断しているのか」と首相を追及した。しかし首相は「(自衛隊を)出すときに判断を下す」などと逃げた。菅代表は、「結局、米国との関係で、出すとか出さないとか、迷走している。これが自主的外交か」と一喝。これまでに首相が犯した2つの大きな判断ミス──米軍によるイラク先制攻撃への支持と復興支援への自衛隊派遣の事前約束──を指摘し、それを前提とした「大義名分のない派遣」を強行すべきでないと主張した。
また菅代表は、日本道路公団の近藤新総裁に高速道路無料化についての見解を質したが、同総裁は「この世にタダのものはない。タダというと誤解を招く」などとピンボケな答弁。道路建設の見直しによって既存の道路財源から債務償還分を捻出し、通行料収入を不要にするという民主党プランについては何も言及できなかった。
さらに、政府の「三位一体改革」について、地方への補助金の1兆円削減とは単なるカットなのか、自治体への税源移譲なのか、と質問。しかし小泉首相は「細かいことは各大臣に任せる」などとしか言えず、地方分権のビジョンの欠落をさらけ出した。
菅代表はこの他、対北朝鮮政策をめぐって、経済制裁の一環としての送金停止を可能にする法的枠組み作りを要求。また雇用対策では、若年層の就職難への具体的な対応を迫った。
最後に菅代表は、総選挙のマニフェストで示した政策の実現に責任ある野党としてしっかり取り組んでいくことを表明し、質問を締めくくった。
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