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2005/04/14
【衆院災害特】古賀・藤田両議員、求められる災害復旧支援策を提示




 福岡県西方沖地震対策等を審議する衆議院災害対策特別委員会が14日開かれ、民主党・無所属クラブから福岡6区選出の古賀一成衆院議員、同3区選出の藤田一枝衆院議員がそれぞれ質問に立ち、現地視察に基づく支援のあり方をめぐり村田防災担当相らに質した。

 古賀議員は冒頭、「比較的安全と言われた福岡・佐賀で地震が起こったことで、心配は募る」と前置きし、文部科学省の研究開発局長に対し、地震頻発現象の背景と今後の巨大地震発生の可能性に関するデータを確認した上で、「差し迫ってくる巨大地震をデータが示している」と指摘。防災行政の総合性・連携システムを高めていく必要性を強く示した。

 古賀議員は対策の第一として、応急仮設住宅の整備のあり方に言及。災害発生時にはプライバシー確保の観点からも早急な仮設住宅の整備が必要として、迅速な整備を政府に求めた。新潟県中越地震・福岡県西方沖地震とも整備まで約1カ月要したとの答弁を受けて、「抜本的な仮設住宅のあり方を検討する必要がある」と古賀議員は指摘。キャンピングカーを一時的に利用したり、短期間で建設できる方法を研究するなど、応急仮設住宅整備のさらなる迅速化に向け、政府として前向きに取り組むよう要請した。

 古賀議員はまた、玄界島視察に基づき、島全体の居住面積が狭く、急斜面に家が立ち並ぶ現地では、地震で亀裂が走った状況を前に、復旧をあきらめた移住希望者も多いと言及。代替地の土地造成を早急に進め、第三セクターなどで従来の土地利用を考えるなど、各省庁が連携し、総合的な防災集団移転促進事業のあり方を政府として検討するよう提案した。それに対して村田防災担当相は「いろんな被災者の立場に立ったメニューを提供し、住民と相談しながらより安全な住宅空間をつくっていくのは政府の役目と考えている」と答弁。それを受けて古賀議員は「中央集権型の単なる作文ではなく、現状を見て、新しい知恵をマニュアル化・制度化していく対応が日本の防災機能を高めていく発端となる」と語り、防災担当相がリードし、省庁間をつなぐ形で体制を整えていくよう重ねて要求した。

 続いて質問に立った藤田議員は冒頭、被災地に「激甚災害級」の支援を行うと述べた小泉首相の発言を取り上げて、その意味を質した。村田防災担当相は、福岡市全域への災害救助法の適用、被災者生活再建支援法の適用、玄界島への離島振興法の枠組み適用など法律を前提にした支援措置に加えて、「できるだけのことをしたいという気持ちから」の発言だとの認識を示し、メニューを駆使して支援を考えたいと述べた。

 藤田議員はまた、早期の災害復旧事業の採択が必要との認識を示し、国庫補助の選択基準の緩和や災害復旧事業債の地方債措置など、財政的にも「十分な配慮をいただきたい」とし、被災者支援・復旧事業について、いっそうの周知徹底に務めるよう要請した。

 藤田議員は、今回の地震では「個人の住宅被害が深刻」であり、被災者生活再建支援法への期待が高まっていると指摘して、支援金の支給にかかる所得要件について質問した。年収が500万円〜700万円の世帯では世帯主の年齢が45歳以上、年収が500万〜800万の世帯では世帯主の年齢60歳以上で支給対象になると、被災者生活再建支援法は年齢要件を設けている。

 藤田議員が「子育て・教育費・住宅ローン等で出費の多い30代後半〜40代前半の世代に適用されないと、二重ローンで苦しむことになり、所得要件の見直しが必要では」と、年齢と年収との関係の根拠を改めて質したのに対し、村田防災担当相は、「私有財産に対する側面的な支援をするので、税金の使い方として、そういう制限を設けて、本当に支援が必要な人を選ぶことが必要」と答弁した。藤田議員は、「真に支援が必要な者」との法律の規定を、更に限定する要件だと指摘。都市部での災害発生を想定する場合には、都市住民の年齢層など多面的な角度から実情を見て、多くの人に制度を適用して救済する視点を持つ必要があるのではないかと再検討を重ねて求めた。

 藤田議員は最後に、今回の地震を機に、住宅本体の再建に使用できるよう制度の枠組みを変える決断を下すよう強く求めたが、村田防災担当相は「4年後の見直しが規定されているので、それも踏まえ、議論していただきたい」との答弁を繰り返すにとどまった。
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