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1998/04/03
山一証券粉飾決算問題を角田義一議員が追及/参院予算委参考人質疑
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山一証券を自主廃業に追いやった大蔵省の不透明な行政指導を解明するため、参議院予算委員会は3日、松野允彦(のぶひこ)・元証券局長、堀田隆夫・証券取引等監視委事務局長(元証券局業務課長)、山一証券の白井隆二・元副社長の3人に対する参考人質疑を行い、民友連からは角田義一議員が質問に立った。
松野元局長は先月18日の衆院予算委証人喚問で、山花貞夫議員らの質問に対し(1)92年1月、担当部署(業務課)が山一の三木副社長を呼び、面談した(2)その際、大和証券と業務課との話し合いで出たアイデアとして海外への「飛ばし」を示唆した――と答えている。
翌19日の衆院予算委では当時業務課長だった堀田事務官が海江田万里議員の質問に対して「三木副社長を呼んだ記憶はない」と答え、海江田議員は松野氏の偽証の疑いを指摘。再喚問あるいは偽証告発を要求している。
この日の参院予算委で角田議員は、山一の白井元副社長に91年11月、山一首脳陣の秘密会談で簿外処理について相談し、92年1月、東急への損失補填を簿外処理すると決定したことを確認。この処理方法について、白井氏は「当時、三木副社長から松野局長が了解していると聞いた」と明らかにした。角田議員は大蔵省の強大な権限を指摘し「松野局長の了解とは、『天の声』のようなものではないか」と問い、白井氏は「そのようなもの」と答えた。
一方、堀田・元業務課長は同様のトラブルを抱えていた大和証券からは頻繁に報告を受けていたと述べながら、「山一のトラブルについては何も知らなかった」と強調。松野元局長が「担当課がフォローしているものと思っていた」としていることとあわせ、角田議員は「常識では信じられない」として、「松野局長と三木副社長の会談は業務課長を入れては話せないことを話したのではないか」と追及した。
松野氏は山一の簿外処理について「了承したという記憶はまったくない。一般的な飛ばしについての話をした」と強弁。角田議員は「山一は東急に約束していた損失補填をするのか、補填せずに詐欺罪で告訴されるのかという瀬戸際で、松野局長の指導を仰いだのではないか。海外への飛ばしというアイデアがあると言えば、あうんの呼吸で分かったということになるのではないか」と、松野元局長が事実上、飛ばしを「行政指導」した疑いを指摘した。
また、角田議員は、山一の違法行為を調査している証券取引等監視委員会の事務局長が当の堀田元業務課長であることから、「あなた自身が調べられる対象ではないか」と大蔵省の調査を批判した。
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