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2004/04/21
「構造改革特別区域法一部改正案」についての見解
ネクスト規制改革担当大臣 原口一博ネクスト国家公安委員長(内閣委総括) 大畠章宏

※政府案の概要

 159通常国会で、政府より「構造改革特別区域法一部改正案」が国会提出された。
 今回、特区における法律の特例措置として追加されるのは以下4点。

医療法等の特例(株式会社による自由診療で高度医療を行う病院等の開設)

教育職員免許法の特例(市町村の教育委員会による特別免許状の授与)

漁港漁場整備法の特例(行政財産である漁港施設の民間事業者への貸付)

狂犬病予防法の特例(市町村による狂犬病予防員の任命)


※特区制度に対する民主党の考え方(2003年民主党政策集より)

 規制改革の実施は本来全国一律で行うべきであるが、地方自治体等のアイデアや主体性を生かし、特別区域(特区)を設けて規制緩和の特例措置を試行的に実施する「特区制度」の手法にも一定の理解はできる。
 ただし、それぞれの特区における特例措置の評価をきちんと行うこと、そして経済効果など一定の成果が上がった措置は速やかに全国展開すべきである。

○政府案の問題点と民主党の対応について

(1) 医療特区における株式会社という業態は排除するものではないが、医療の質がきちっと担保されるのか、また経営が厳しい時でもしっかりした患者のケアがなされるのかどうか懸念がある。
(2) 医療特区で行われる医療(株式会社立病院:自由診療かつ高度医療に限定)が、仮に特定療養費や保険診療の対象となっても、当該病院では自由診療以外できないため医療費は全額患者負担のままである。高度医療限定という高いハードルを掲げたこととあわせ、そうした条件下でも新規参入する株式会社があるのかどうか。結局、絵に描いた餅に終わる可能性が強い。
(3) また、医療特区については、高度かつ先進的な医療を受けられるかどうかが金次第になるとの心配があり、国民皆保険制度崩壊の不安が払拭されない限り賛成できないとの意見もある。
(4) 教員職員免許については、免許法そのもののあり方も含め、まずは全体的な理念を明確にすべきである。政府案のように、市町村教育委員会が認めれば誰にでも教員免許が与えられるというのは疑問が残る。

◎今次政府案は、理念や目的が明確でなく、場当たり的・なし崩し的に特例措置を認めるもので規制緩和の“やったふり”法案である。これでは国民生活に不利益をもたらすことにもなりかねない。したがって民主党は政府案に反対である。

以上
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