民主党は12日午前、密室での取調べを正すことにより、適正な捜査と正しい裁判をめざす刑事訴訟法改正案を衆議院に提出した。改正案は、山内おさむ(『次の内閣』ネクスト法務総括副大臣)・辻恵・松野信夫各衆院議員によって、衆院事務総長を通じて提出された。
改正案は、警察署・検察庁での取調べが密室で行われることにより、被告人の証言が本人の意思にもとづいて行われたかどうかに疑問が生じる場合が頻繁に発生し、冤罪事件の温床になったり、裁判の長期化の原因となったりすることを防ぐことを目的としている。そのため改正案では、警察・検察での取調べに弁護人が立ち会えるようにすること、および取調べの経過をビデオなどに記録しなければならないこと、さらにこれらに反して行われた自白は証拠とならないことを定めている。また、勾留がいたずらに長期化することを防ぐために、証拠隠滅等を疑う「十分な」理由がない場合には、保釈をしなければならないこととしている。
改正案提出後の記者会見では、山内衆院議員が提出に至った経緯の説明を行った。続いて辻衆院議員が、裁判員制度の導入にともなう刑事訴訟規則改正要綱においても取調べ状況の透明化がうたわれていること、諸外国においても取調べの記録制度は導入されていることなどを説明。松野衆院議員が、最近の殺人罪に問われた被告人に対する無罪判決でも取調べのあり方が問題とされており、取調べの密室性を改めるために改正が必要と説明した。
同改正案は、2004年3月に提出し、質疑が行われたが否決されたものの再提出。なお、2003年7月には弁護人立会権を主体とした改正案を提出し、同年10月に解散により廃案となった。
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