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1998/05/14
「財革法改正政府案では恒久減税できない」菅代表、緊急経済特委で3たび橋本総理と対決


民主党の菅直人代表は14日、衆院緊急経済対策特別委員会総括質疑で質問に立ち、「政府・与党が一方で『参院選後に恒久減税を行う』と言いながら、恒久減税が困難な財政構造改革法改正案を提出しているのは、二枚舌だ」と追及した。

 菅代表は、訪米した際、サマーズ財務副長官が日本の護送船団方式を批判し、フィッシャーUSTR次席代表が日本の官僚をパチンコの「クギ師」に例えて行政指導の恣意性を指摘したことを紹介。「日本は自分の力では何もできないと見られている」との危機感を表明したが、橋本首相は質問に直接答えようとせず、はぐらかしの答弁に終始した。

 菅代表はさらに、アメリカがレーガン政権時代の大幅減税で財政赤字を出しながら、結果的に今日の経済の成功につながっている例を挙げながら、「恒久減税は経済構造の改革という意味で、政府が行おうとしている特別減税とは違う」と、恒久減税の必要性を強調。政府の財革法改正案に対して、同法を2年間凍結する対案を、平和・改革、自由党と共同提案することを明らかにしたうえで、財政再建と景気対策の両面で中途半端な政府案を「ブレーキを踏みながらアクセルをふかしているようなもの。ガソリンばかり使って前には進まない」と批判した。

 また、政府・与党幹部が参院選後の恒久減税に言及していることから、「政府改正案の枠内でできるのか」と質問。これに対して松永蔵相は「今回の改正で目標年次を2年延長しても、2005年には財政赤字を対GNP比3%以下にしなければならないという天井がある。ただし、景気が非常に良くなって税収が伸びれば別」と答弁した。菅代表は「私たちは景気が悪いから恒久減税をしようと言っている。与党の皆さんも私たちの対案に賛成してはどうか。もし、景気が良くならなければ減税が難しいという政府案に賛成しておきながら、参議院選挙で恒久減税をやると言ったら『二枚舌』と言わざるを得ない」と、政府・与党の矛盾を指摘した。
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