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2006/04/10
【参院本会議】山根議員、統合医療や違法ドラッグなどについて質問


 10日昼、参議院本会議において政府提出の薬事法の一部改正案の趣旨説明に対して山根隆治参院議員(参院幹事長代理)が代表質問に立ち、統合医療の推進や違法ドラッグ対策など、幅広い論点について政府の姿勢を質問した。

 冒頭に山根議員は、民主党が7日の両院議員総会において小沢一郎代表を選出し、これから小泉政権のワンフレーズ・ポリティクスとは異なった国民生活に密着した政策提言を行って、傲岸が目に余る自公連立政権に乾坤一擲立ち向かうと宣言した。これに対して安倍官房長官は、小泉政権の構造改革の成果によって経済も向上していると自画自賛した。

 山根議員は、薬事法改正に関係の深い事項として、第一に日本においては新薬の臨床テスト(治験)が進まないために欧米で用いられている新薬が利用できないこと、第二に西洋医学と鍼灸などの代替医療とを組み合わせた統合医療の有効性を評価する研究機関の設立が必要であることを取り上げ、政府の対応を質した。これに対して川崎厚労相から、治験については活性化指針を策定し、さらに普及啓発にも努めていること、統合医療については平成18年度から研究予算をつけて評価の土台作りをするとの答弁を得た。

 山根議員は、改正法案において一般薬品をリスクに応じて3種類に区分して販売体制に差をつけるとともに薬品についての情報提供を義務付けている点を捉え、現行法において義務付けられている薬剤師の常駐さえ守られていない実態との乖離を問題にした。また、山根議員はリスク分類が実態と離れていく危険性を指摘した。川崎厚労相は、販売体制にメリハリを付けて対応するための分類であり、分類は必要に応じて見直していくと答えた。

 山根議員は、改正法案において登録販売者という新たな資格を設ける場合の試験や研修のあり方を問い質した。川崎厚労相は、試験については国が一定の関与を行うが具体的な制度は今後検討するとし、研修などについての指導も行うとした。

 山根議員は最後に、社会とりわけ青少年を蝕む薬物問題を取り上げ、水際対策を中心とする麻薬対策への取り組みの現状および違法ドラッグの現状と対策について、例をあげて幅広く質問した。川崎厚労相は、観賞用植物やビデオクリーナーの形態で販売されている違法ドラッグの状況を踏まえて、今回の改正法において製造・輸入・販売を禁止する措置が取れるようになると答弁した。北側国交相および沓掛国家公安委員長は、北朝鮮からの覚せい剤の密輸の例に触れつつ、水際対策と暴力団などの犯罪組織への対策の強化をすすめると答弁した。小坂文科相は、学校における薬物乱用防止教育を推進すると答弁した。
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