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2005/08/05
【衆院国交委】橋梁事件は組織的賄賂 菅ネクスト大臣が追及




衆議院国土交通委員会が5日午前開かれ、内田副総裁が逮捕された道路公団の橋梁工事事件に関して、菅直人ネクスト国土交通大臣が、事件の本質は組織的、構造的な天下りを見返りとする賄賂ではないかとして厳しく追及した。

 菅議員は「大きな構図として、天下りによる後払い賄賂の授受となっている。大臣はどう認識しているか」と質問。北側国土交通大臣は「国民から天下りが温床との疑惑をもたれている。もたれないようにしていく」と答え、賄賂との認識は示さなかった。

 次に菅議員は先日質問した後の天下り人数を明らかにするよう求めた。北側大臣が「7月23日以降で人事交流11人、再就職9人の計20人」と答えたため、菅議員は、全然規制にはなっていない、天下りを見直すと言っているが信用できないとさらに追及した。

 また、菅議員は近藤道路公団総裁に、逮捕された内田副総裁を任命した責任を明らかにするよう求めた。近藤総裁は「痛恨の極み。責任を痛感している」としたが、民間化された公団の会長職の去就には触れなかった。

 最後に菅議員は、「公共調達で国・地方合わせ40兆円に上る。聞くところに拠れば、25%ぐらい高いのではとのこと。これをやめさせれば、10兆円は削除される。国・地方のサービス削除ではない。サラリーマン増税10兆円は必要ない。官製談合をやめさせればいい。天下りは構造的・組織的賄賂であるとの認識がないまま、最高責任者を務めているのは間違っている」と指弾。これに対して北側大臣が「長年やってきたこと」と答えたため、菅議員は「だから構造的・組織的と言っている」として、今度は「もっと前向きに議論しよう」と結んだ。

 次に関連質問に立った中川治衆院議員は、国土交通省の直接発注の工事が平成15年度で約2兆円、2万件、この資料を要求しているが出てこないことを示し、大臣に提出するよう求めた。北側大臣は「出します」と答えた。これは、企業名、入札回数、入札価格、落札価格を見れば、談合があったかなかった明らかになるため、中川議員が求めていたもの。また、中川議員は官僚の早期退職の救済措置として天下りを是認する傾向があるが、その実態は救済の域を超えて高給を食んでいるのは問題だとして、天下り以後の給与を明らかにするよう求めた。

 更に、道路公団の民間会社の社長内定者に今後の方針を質した。
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