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2005/08/05
【参院郵政特】高橋・平野議員、法案出し直しを要求 法案は可決
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参議院の郵政民営化に関する特別委員会で5日午後、締めくくり総括質疑が行われ、民主党・新緑風会から高橋千秋・平野達夫両参院議員が質問に立ち、法案の持つ本質的な欠陥を改めて指摘。法案の撤回・出し直しを求めた。法案は賛成及び反対討論の後、与党の賛成多数で可決された。民主党からは、山根隆治参院議員が反対討論に立った。
高橋千秋参院議員はまず、「誰のための法改正か分からなくなっている。衆議院での投票は国民のための投票ではない。解散回避のための投票」だったとして、「民営化は何のため、誰のためにするのか。日本の社会をどう描いているのか」の根本を小泉首相に改めて質問した。首相は、「民営化は国民の全体の利益になるから、金融社会主義といわれる部分の改革になる。郵便局が税を払えば財政にも寄与する。総理・総裁としての責務だと思う」と従来からの持論を展開したが、何らの説得力を持つものではなかった。
次に高橋議員は、郵政法案によって他の重要案件が滞っているとして「他に優先しなければならないことがある」と指摘した。また、「4年間の小泉政権はしわ寄せが弱い人のところいっている。この法案によってサービスが向上するとしているが、法律に担保されていない。法律の書き込むべき」と詰問した。竹中担当相は、「実効性を担保している」としたが、法案への書き込みは拒否した。高橋議員は阪田内閣法制局長官に大臣答弁の法的拘束力の有無を確認。阪田長官はないと答えた。その上で改めて、法的拘束力が大臣答弁にない以上、金融のユニバーサルサービスの維持などを法律に書き込むべきだと再度追及した。最後に高橋議員は「国営の大会社を作るだけの法案が、なぜ国民のためになるのか」と結んで質問を終えた。
続いて質問に立った平野達男参院議員は、委員会での議論は本当にいいものがあったとした上で「委員会の外では別のことで法案が左右されている。解散という言葉を使うのは言論を封殺するもの」と小泉首相の手法を議会制民主主義を壊すものであると厳しく批判した。更に大臣答弁に法的拘束力がないとするのでは、国会で議論の意味はなくなる、たとえ法律の解釈としては拘束力がないとしても、国会での大臣答弁は重いものではないかと質した。小泉首相は、「国会での大臣答弁は重いと思う」と答えたものの「次の内閣で法律を変えるのは当然」と開き直った。
更に平野議員は、今までの議論を総括し、郵便局会社の収支・金利変動にどれくらい耐えられるか、システム統合が間に合うのか、リスク管理ができるのかなどの問題で認識ギャップは埋まっていないとして、最も大きな問題である郵便局の全国網が維持と国債管理について質問。細田官房長官は、「郵便局が維持できなくて何が政治か」と法案とは関係なく、圧力によって郵便局網を維持すること表明した。小泉首相も、国債管理に関しては全く答えず、思い込みの民営化メリットを強調するのみで、理解していないことを露呈した。平野議員はこうした答弁に対し、「総理の気持ちがつんのめっていて、周りも法も付いて来ていない。もう一回出し直せ」と質問を結んだ。
質疑の後、反対討論に立った山根隆治参院議員は、「日本は島国であり、400を数える島に人々は生活を営んでいる。郵政民営化によってリストラが進めば、身近な郵便局やポストの数が減るのではないか、との国民が持つ心配に対し、安心の持てる根拠を、法案審議を通じて、結局明らかにしてもらえなかった」として、「本法案は『民営化』という『魔法の言葉』で国民を欺く一方、郵貯・簡保の巨大な資金量や特殊法人などへの無駄な金の流れにメスを入れることもしなければ、現実的なビジネスモデルの提示さえ行えず、国民生活を不安に陥れるだけのものだ。絶対に反対であり、廃案にすべき」であると訴えた。
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