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2006/04/20
【衆院本会議】近藤議員、政府の行革推進法案の罪深さを暴く


 20日昼、衆院本会議において、民主党提出の行政改革推進法案(「国民がゆとりと豊かさを実感しながら安心して暮らせる安全な社会を構築できる効率的で信頼される政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案」)と政府提出の行政改革推進法案(「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案」)などの採決に先立ち、近藤洋介衆院議員が民主党案に賛成し政府案に反対する立場から討論を行い、政府提出法案の問題点を指摘し、その罪深さを暴いた。

 討論の冒頭に近藤議員は、小泉首相が好んで用いる「政治家にとって情熱、責任感、判断力の三資質が重要」というマックス・ウェーバーの言葉を取り上げて、ウェーバーはさらに「現実をあるがままに受けとめる能力」を失うことは罪であると言っていることを指摘した。そして、政府提出法案は現実との距離を失った罪深き法案であると断じた。

 近藤議員はその理由の第一として、中央官庁が自ら所管している公益法人に対して件数ベースで7割に上る随意契約をおこなっていること、民主党提出案にある官製談合根絶のための方策が政府提出案には見られないことなどを指摘し、官僚組織による税金の「ねこばば」を見逃していることを挙げた。

 近藤議員はその理由の第二として、中小企業がおかれた厳しい状況の中で中小企業金融に対する配慮が欠けていることなどを指摘し、政府提出法案では広がる格差社会の現実を受け止めて改善措置を講じることなく、社会の一極集中を加速させかねない点を挙げた。

 近藤議員は、「市場には心がない。市場の参加者には、しばしば邪心がある」という経済学者の故都留重人氏の言葉を引用して、ライブドア事件などはまさにこれにあたるとし、いわゆる小泉・竹中路線を推し進める政府提出法案への反対と、民主党提出法案への賛成を訴えた。

 その後の採決で、民主党提出法案は賛成少数で否決され、政府提出法案が可決された。
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