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2006/04/21
平岡衆院議員ら、衆院法務委での共謀罪の審議強行に抗議表明




 21日昼、国会内の控室において、党の衆参法務委員会および法務部門会議のメンバーが記者会見し、本日衆院法務委員会で共謀罪の提案理由説明および同法案の与党修正案の提案理由説明が強行されたことに対して、強い抗議が表明された。なお共謀罪とは、最高刑が4年以上の懲役又は禁固に当たる罪についてそれを行うことを相談・合意しただけで処罰の対象とするもので、提出者である法務省によれば組織的な犯罪を防止するためのものとされているが、本来の目的以外に拡大して用いられる恐れなどの問題が指摘されている。

 会見は、高山智司衆院議員の司会の下に行われ、まず平岡秀夫衆院法務委員会筆頭理事が与党による提案理由説明の強行の問題点を指摘した。平岡衆院議員は、本日の提案理由説明の実施は18日の委員会後の理事会で突然持ち出され、本来合意を前提としている理事会において、採決によって決定されたものであり、信義則に反すると述べた。そして、厚生労働委員会において民主党のガン対策法案の審議が自民党の対案が出来るまで留保されているように、法務委員会においてもこの法案に対する民主党の修正案ができるまで政府案の質疑を留保するという提案を行ったが、与党側は考慮することなく、本日委員長職権で提案理由説明を強行したと経緯を説明し、与党の姿勢を批判した。さらに、参院法務委員会には入管法改正案や未決拘禁法案などの重要法案がかかっているので、与党側が急いで処理して参院に送る意味が理解できないと語った。

 また平岡衆院議員は、本案の提案理由説明と同時に与党の修正案の提案理由説明が行われることは施行期日の修正などを除いて異例であると指摘し、与野党の信頼関係が崩れている中での信義をどうするかについては、今後他の野党とも協議して決めていくと述べた。

 続いて千葉景子『次の内閣』法務大臣(参院議員)が説明に立ち、共謀罪の審議強行について三点を指摘しつつ、強く抗議した。その第一点は民主党は未決拘禁法案など人権関係の重たい内容を持つ法案についても真摯に対応してきたが、今回の強行によって信頼関係が失われたこと、第二点は本案の趣旨説明と修正案の趣旨説明を同時に行うということは本案に欠陥があるということで、法案の出し直しがスジであること、第三点は人権上の問題がある多くの法案の成立を急ぎながら、人権機関を設ける法案に対しては後ろ向きであることである。そして、今後は衆参一体となって法案の疑念を追及していくと述べた。

 会見には、江田五月参院議員、簗瀬進参院議員、前川清成参院議員、松岡徹参院議員、石関貴史衆院議員、小宮山泰子衆院議員が同席した。
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