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2006/04/26
【参院行革特】和田議員、地方の実情、森林保護、BS問題を質す


 26日午後、参院行革特別委員会の総括質疑で和田ひろ子参院議員が質問に立ち、小泉首相を相手に、地方自治体の実情を訴え、森林保護を説き、BSE問題を質した。

 和田議員は、「政治は弱い人のため、恵まれない人のためにある」との言葉を引き、生活保護世帯が増加していることなど国民の間に格差が広がっている現状に警鐘を鳴らした。そして、地方自治体が財政難をはじめとして苦しい状況にあることを実例を挙げて示し、小泉首相のすすめる改革は温かみに欠けると指摘した。これに対して首相は、税源も移譲して地方交付税も増やすことは出来ないとし、自治体も競争原理の下で生きていくべきだとしつつ、補助金と税源と交付税は総合的に考えるべきだと答弁した。

 和田議員は、森林の持つ水源涵養・土壌保全・二酸化炭素削減などの素晴らしい機能を指摘し、さらにスサノオノミコトが退治したとされる八岐大蛇の絵を示しながら、この伝説が実は製鉄のために山の木を切ってしまうことへの警告を表しているのだとの解釈を披瀝して、森林保護の重要性への認識を質した。首相は、森林保護の必要性を一般論としては認めつつも、それが公務員の増加につながることへの懸念を示した。

 また、和田議員は環境保護のための京都議定書の議長国である日本が二酸化炭素削減目標を達成するためには森林の果す役割が大きいことを指摘した。中川農水大臣は、困難であるとしつつも、循環型の森林整備をすすめていくと答弁した。

 和田議員は、米国産牛肉の輸入再開に関するBSE問題を取り上げ、食品安全委員会が安全性への科学的な根拠を出したのではないと指摘し、拙速な輸入再開を批判した。首相は、日米では安全性への考え方が異なるが、日本の基準を米国が守ると言っているので、現在交渉中であると答弁した。和田議員は、米国のパッカー(食肉業者)を視察した経験から、米国では日本基準の遵守が困難であると指摘した。
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